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コンサルティング事例 [ブロックチェーンを用いた電子スタンプラリー]

ブロックチェーンを用いた電子スタンプラリー

~千葉ロッテマリーンズ様での取り組み~


掲載日:2016年6月7日

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概要

 富士通総研では、地域活性化施策として、千葉ロッテマリーンズとアニメーションとのコラボレーション試合に協力させていただいている。2016年は前年の経験を活かし、スマホを用いた電子スタンプラリーの仕組みをお客様向けに提供させていただいた。実現するための仕組みにはブロックチェーンを用いている。ブロックチェーンを用いると、どのように可能性が広がるのかについて、ご紹介する。

課題

千葉ロッテマリーンズとのアニメコラボ

富士通総研では、2015年、2016年と、千葉ロッテマリーンズのアニメコラボ試合に協力させていただいている。

2015年のアニメコラボは、地域の商店街や、交通事業者とも連携した大規模なものであり、富士通総研では、全体の枠組み作りの部分をお手伝いした。

コラボ作品は、「やはり、俺の青春ラブコメはまちがっている(小学館)」という、千葉市の高校生を主人公とした地域密着型の作品であった。

地域活性化施策として、想定以上の効果を出すことができたのだが、残念なことにアニメコラボに参加いただいたお客様の動線分析ができなかった。近隣5商店街にてスタンプラリーを実施したが、台紙が紙であったため参加者のデータが取得できず、交通機関でコラボ切符を購入した人や、千葉ロッテマリーンズのコラボ試合を観戦した人との重なりも把握できなかった。

また、参加者のリピート回数や訪問順序(商店街、野球観戦、交通機関)なども、本来は知りたい情報であった。どの地点が起点となり、ハブとなっているのか可視化できれば、より有効な認知施策を打つこともできたはずである。

そこで、2016年のアニメコラボに関しては、スマホを用いた電子スタンプラリーの仕組みをお客様向けに提供させていただいた。

電子スタンプラリーそのものは珍しいものではないが、今回は、実現するための仕組みとしてブロックチェーンを用いた点に特徴がある。本稿では、ブロックチェーンを用いるとどのように可能性が広がるのかを紹介したい。

解決策

ブロックチェーンを用いるメリット

ブロックチェーンとは、インターネット上の分散型台帳であり、暗号化と複雑な計算手法を用い、記録する情報(取引、契約など)の安全性を保障する技術である。

情報をブロックチェーンに記録する際にはブロックチェーンのノード参加者全員が確認する透明性と、ブロックチェーンをノード参加者全員で共有しているため、一部ノードが壊れても、それを切り離すことによって運営が途切れない保守性が特長となっている。

具体的な使われ方として、電子通貨が有名であるが、様々な用途での活用が可能である。電子チケットや、コレクターズアイテムの取引履歴管理として活用することも可能だろう。

誰でも取引内容を確認できるため、複数事業者間でのコラボには特に適していると考えられる。また、個人情報等を非公開領域に置くことで、透明性と情報管理を両立させることが可能となる。

多くの可能性を持つブロックチェーン技術であるが、今回は、イベントの賑わい要素の1つである電子スタンプラリーの実現基盤として提供させていただいた。

スタンプラリーとしての活用

千葉ロッテマリーンズは2016年4月8日~10日の西武ライオンズとの3連戦にて、「私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!(スクウェア・エニックス)」(通称「ワタモテ」)とのコラボイベントを実施した。この作品も、千葉市の高校生を主人公とした地域密着型の作品である。

このコラボにおいて、富士通総研では、「ワタモテスタンプラリー」としてシステムを提供し、スタジアム周辺に電子スタンプ台を3箇所設置した。(スタンプラリーは4月10日のみ実施)

この電子スタンプ台には、通信機が内蔵されている。(写真1)

スタンプラリー

スタンプラリー参加者がWebで登録すると、固有のアドレスが割り当てられる。アドレスはQRコードの形でスマホに表示されるため、電子スタンプ台に近づけるとアドレスが認識され、電子スタンプが発行される仕組みである。

今回は、主要3キャラクターの電子スタンプをコンプリートすると、カスタマーセンターにてプレゼントがもらえるというシンプルな仕組みとした。(図、写真2)

電子通貨ワタモテスタンプラリー

イベント当日、電子スタンプラリーに参加いただいたお客様は約100人。そのうち、コンプリートしたのは3割であった。

お客様の行動の特徴として、千葉ロッテマリーンズが攻撃のときは試合を観戦し、守備に入ると、スタンプラリーに参加するという、野球ならではの楽しみ方がうかがえた。

お客様の動線は、ブロックチェーンの仕組みを用いて詳細に分析することが可能である。これは、電子スタンプの発行1つ1つが取引としてデータ化されていることによる。あるお客様はA地点でスタンプを獲得した。次にB地点、最後にC地点とスタンプを獲得した場合、それぞれが独立した取引としてブロックチェーン上では記録されている。記録されるデータは、アドレス、時間、送信内容であり、データを参照することで、このお客様がA地点→B地点→C地点と移動したことがわかる。

データ内にはメタ領域もあるため、そこに画像や音声等の参照情報を埋め込むことができる。これにより、これまでのポイントカードと異なり、単なる数字ではなく、画像や音声付きのスタンプや通貨としての利用が可能となる。

お客様は、獲得した記念電子スタンプが、全部で何枚発行されたものなのか、例えば100枚なのか、それとも1枚という非常にレアなものなのかを、ネット上で確認・検証することもできる。(繰り返しになるが、個人情報は非公開領域に置くため、見られることはない。)

動線分析

今回は、スタジアムの外にある「(1)マリーンズ・ミュージアム」と、主役声優さんのプロデュースした餃子が限定数販売される中華料理屋「(2)千客万来」、コンプリートした人にプレゼントを渡す場所も兼ねている「(3)カスタマーセンター」の3箇所にスタンプ台を設置した。

実際の3拠点の利用ルートは以下の順であった。(表)

表 リートの利用順

ルートの利用順位で最も比率が高かったのは、1箇所目に「(2)千客万来」に行ったお客様であり、声優さんの限定餃子を目当てに、まずスタジアムに入場していることから、作品の熱心なファンであると考えられる。

アニメコラボの目的の1つが、野球ファン以外にも観戦者の裾野を広げることだとすると、この層が多かったことは成功と言えるだろう。

今後、またアニメコラボを行う際にも、情報提供を行うことでリピートにつなげ、観戦を楽しんでもらい、将来的にマリーンズファンになっていただけると、理想的である。

成果

今後の可能性について

今回は、千葉ロッテマリーンズのアニメコラボに対して、あくまでもスタジアム周辺での電子スタンプラリーとして提供させていただいたが、ブロックチェーンとして様々な可能性が考えられる。

例えば、2015年に実施したアニメコラボのように、地域商店街や交通事業者を巻き込んだ大規模なイベントでは、地域スタンプ、地域通貨としての用い方も考えられる。発行されたスタンプを、商店街が開発したコラボ商品を購入する際の通貨や割引券とすれば、地域振興策ともなるだろう。

また、今回は、アニメのキャラクターをスタンプとして用いたが、選手の画像にすることで、トレーディングカードのような使い方も考えられる。

ファンとしては、スタンプに好きな選手の顔が入っていたり、試合ごとに異なるメッセージが入っていたりすれば、獲得したいという動機になるに違いない。

そして、これらのお客様の行動データを取得し、分析できることが、ブロックチェーンの特徴でもある。

お客様の実際の「動線」を分析することにより、あるべき「導線」の姿を見出すことが可能となる。その導線を活用し、お客様の置かれた状況に沿った施策を行うことで、ロイヤルカスタマー化施策となるだろう。

今後も、技術的な検証を進めるとともに、地域の複数事業者を巻き込むことで、スポーツの盛り上げや、地域活性化など、面白い使い方ができないか、試していきたい。

  • 本事例中に記載の数値、社名・固有名詞等は掲載日現在のものであり、このページの閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。
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本記事の執筆者

流通・生活サービス事業部
チーフシニアコンサルタント

松本 泰明

 

富士通株式会社にてFM-TOWNS、FM-V等のコンシューマービジネス向けのサービスを開発・運用した後、株式会社富士通総研に出向。専門分野はスポーツやアニメなどのコンテンツを軸としたデジタルマーケティング、異業種 連携、地域活性化施策など。

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