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Japan

ODA等を活用した事業スキームの検討

B省様における交通分野の海外展開における事業スキームの検討

概要

ODA等を活用したインフラ輸出の事業スキームを明らかにし、B省様の役割を検討

国ではASEAN各国等へのインフラ輸出の促進を打ち出しており、ODA(政府開発援助)等を活用して日本の企業のリスクを抑えながら海外進出を促進する方策を検討しています。最近のインフラ輸出では、鉄道等の交通分野の案件が増えていますが、交通分野のインフラ輸出の案件は規模が大きく、期間が長いほか、需要の見通しが難しく、日本企業はリスクが大きいと捉えています。

このため、B省様ではODAを活用し、日本企業のノウハウを活かしながらも、リスクを抑えて日本企業の交通分野でのインフラ輸出を促進する事業スキームを明らかにするとともに、B省の役割を検討しており、富士通総研が支援させていただいております。

課題

交通分野のインフラ輸出のリスクの分析と、リスクを抑制する事業スキームの検討

インフラ輸出のリスクには、一般的に、社会性・事業実施・ファイナンス等に関するものが挙げられます。交通分野のインフラ輸出に取り組む日本企業にとって、どのようなリスクが重要かを明らかにし、民間部門で負担することが難しいリスクについては、相手国政府等の公共部門に分担してもらうことが必要であると考えられます。

また、交通分野のインフラ輸出において日本企業にとって重要なリスクが明らかになった際、国が推進しているODA等を活用し、日本企業がリスクを負担できる事業スキームを検討することが必要であると考えられます。この際、ODAを原資として、赤字となる交通分野のインフラ輸出に補助金を供与する手法や、二酸化炭素(CO2)等の温室効果ガスの削減に資する場合に活用できるCO2クレジットの売却等の新しい資金調達手法の可能性も考慮することが重要であると考えられます。

解決策

交通分野のインフラ輸出の事例分析による詳細なリスク分析と、ODA等を活用した事業スキームの検討

1.交通分野のインフラ輸出の事例分析による詳細なリスク分析
交通分野のインフラ輸出の実績がある日本企業の最近の事例を取り上げ、収益性等を整理し、リスクの影響の程度を分析しています。日本企業の最近の事例から、特に鉄道のインフラ輸出では、利用量が見込みを下回る需要リスク等の社会性リスクや、長期間にわたって投資を回収するため、デフォルトリスクや金利・為替の変動リスク等のファイナンスに関するリスクが重要であると考えられます。

2.ODA等を活用した事業スキームの検討
交通分野のインフラ輸出は、多額の初期投資がかかる一方、需要リスクがあり、投資を長期間にわたって安定的に回収することが難しい場合があります。このため、交通分野のインフラ輸出の事業スキームでは、円借款等のODAを活用して交通分野のインフラを整備し、日本企業は運営を行う「上下分離方式」が有効であると考えられます。

なお、ODAを原資として、赤字となる交通分野のインフラ輸出に補助金を供与するVGF(バイアビリティー・ギャップ・ファンディング)は、国で検討が進む将来的な課題であり、CO2クレジットの売却はクレジット価格が低迷し、主要な資金調達手段として位置付けるのは難しいと考えられます。

【図1 事業スキームの例(鉄道を新規に整備する場合)】
【図1 事業スキームの例(鉄道を新規に整備する場合)】

成果

成長戦略等の議論の叩き台となる

国ではASEAN各国等へのインフラ輸出の促進を打ち出しており、B省様においても交通分野のインフラ輸出等を含む成長戦略等を策定しております。本調査で検討した交通分野のインフラ輸出のリスク分析や事業スキーム等が議論の叩き台となり、交通分野のインフラ輸出を促進する政策が検討されています。

掲載日:2013年9月4日
(公共事業部 シニアコンサルタント 坂野 成俊)


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