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Japan

海外展開を促進する政策立案

A省様における環境ベストアプローチズブックの策定

概要

日本の優れた交通分野の環境対策をASEAN各国に知ってもらい、インフラ輸出につなげる「環境ベストアプローチズブック」

国の政策の一環として、A省様では所管する交通分野のASEAN各国等へのインフラ輸出の促進を打ち出しています。また、A省様はASEAN各国の運輸担当相と交通分野の連携プログラムを実施しており、ASEAN各国の地球環境・地域環境の悪化を踏まえて、旺盛な交通需要を満たしながらも、環境負荷を抑制する「低炭素・低公害交通システム」の実現に協力しています。

A省様では日本とASEAN各国で優れた交通分野の環境対策を共有し、ASEAN各国に日本の優れた対策を知ってもらい、ASEAN各国が日本の技術・ノウハウを盛り込んだ交通分野の環境対策を企画立案することによって、低炭素・低公害交通システムを推進しています。また、日本の交通分野のインフラ輸出の促進を図る「環境ベストアプローチズブック」を策定しており、富士通総研が支援させていただいております。

課題

多様なASEAN各国のグループ化と、それぞれの交通分野の環境対策の重要な成功要因の提示

ASEANには人口や経済状況、交通システムの発達状況等の社会経済環境が多様な国々が参加しており、低炭素・低公害交通システムの実現に向けた課題が国によって異なる一方、A省様においてもマンパワー等の制約があり、すべてのASEAN各国に対して個別に対応することが難しい状況にあります。このため、「環境ベストアプローチズブック」では、ASEAN各国をグループ化し、A省様のマンパワー等を効率的に活用しながら、ASEAN各国が交通分野の環境対策を受け入れやすい環境を整備することが必要です。

また、ASEAN各国は「環境ベストアプローチズブック」の交通分野の環境対策を企画立案する際には、自国の法制度や技術・ノウハウ等を考慮してカスタマイズすることが求められます。このため、「環境ベストアプローチズブック」ではそれぞれの交通分野の環境対策について、ASEAN各国が企画立案する際に参考となる重要な成功要因として明らかにすることも必要です。

解決策

低炭素・低公害交通システムの発達段階に応じたASEAN各国のグループ化と、プロセスと技術・ノウハウ、取り組み意欲の視点から重要な成功要因を分析

1.低炭素・低公害交通システムの発達段階に応じたASEAN各国のグループ化
経済状況が異なるASEAN各国では自動車の普及状況や交通分野の環境負荷にバラつきがあり、低炭素・低公害交通システムの発達状況に違いがあると考えられます。「環境ベストアプローチズブック」ではASEAN各国を低炭素・低公害交通システムの発達状況に応じて、(1)低炭素・低公害交通システムを実現できている国と、(2)現在、環境負荷が大きい国、(3)短期的に環境負荷が増加する国、(4)中期的に環境負荷が増加する国のグループに分けて、それぞれのグループに対して効果的な交通分野の環境対策を示しています。

【図1 ASEAN各国のグループと効果的な交通分野の環境対策の種類】
【図1 ASEAN各国のグループと効果的な交通分野の環境対策の種類】

2.プロセスと技術・ノウハウ、取り組み意欲の視点から重要な成功要因を分析
ASEAN各国が「環境ベストアプローチズブック」の交通分野の環境対策を企画立案する際には、当面の導入のために「プロセス」と「必要な技術・ノウハウ」を把握することが必要であり、継続的に実施するためには自発的にプロセスの改善や技術・ノウハウの向上が進むよう、「取り組み意欲を促進する仕組み」を組み込むことも求められると考えられます。このため、「環境ベストアプローチズブック」ではそれぞれの交通分野の環境対策について、「実効的なプロセス」と「必要な技術・ノウハウ」、「関係主体の取り組み意欲の促進方法」を明らかにしています。

【図2 重要な成功要因の関係】
【図2 重要な成功要因の関係】

成果

「環境ベストアプローチズブック」はA省大臣とASEAN大臣の会合で承認。ASEAN各国の計画への反映が進む

「環境ベストアプローチズブック」は2012年開催のA省大臣とASEAN大臣出席の会合で承認され、プレスリリースされるとともに、ASEAN各国に配布されました。ASEAN各国の「環境ベストアプローチズブック」への関心は高く、印刷物が不足してしまう状況にもなりました。

A省様ではASEAN各国の運輸担当相を招き、交通分野の環境対策の計画を策定する研修を定期的に開催しており、「環境ベストアプローチズブック」が教材として活用され、富士通総研が講師をさせていただいております。ASEAN各国の日本の優れた交通分野の環境対策への関心は高く、日本の技術・ノウハウがASEAN各国の交通分野の環境対策の計画に盛り込まれる見込みです。今後、ASEAN各国が交通分野の環境対策の計画を実施する際には、日本の多くの技術・ノウハウが活用され、日本企業の交通分野のインフラ輸出が増えることが期待されます。

掲載日:2013年9月4日
(公共事業部 シニアコンサルタント 坂野 成俊)


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