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サプライチェーン全体でのBCM強化を進め、東日本大震災の影響を最小限に抑えた電機メーカーA社様

概要

サプライチェーンの構造化と取引先のBCM評価に基づいてBCMを強化

災害などの不測の事態発生時における事業継続能力を強化するためには、自社のサプライチェーン全体を意識したBCM(事業継続マネジメント)活動が必要不可欠です。この事例では、サプライチェーンBCM強化に向けた進め方と要点をご紹介します。

課題

BCMはサプライチェーン全体での活動が不可欠

企業におけるBCMの活動は、サプライチェーン全体で推進する必要があります。

東日本大震災においては、直接的に被害を受けていないにもかかわらず、取引先、および自社で把握していないサプライチェーン上の企業の被災による影響で、生産停止に追い込まれる企業が多数発生しました。

この原因の1つとしては、生産効率性、コスト、品質面を優先するためにSCM(サプライチェーンマネジメント)の一環として取引先の集約を進めたことが挙げられます。

その結果、企業におけるリスクに対する許容度が厳しくなってしまったと言えます。

それでは、サプライチェーン全体でのBCM活動を推進するためにはどうすればよいのでしょうか?
その課題を2点挙げます。

  • サプライチェーン全体の取引先の構造把握
  • サプライチェーン上の取引先に対するリスク評価の実施

以下では、これら課題解決の方法、およびサプライチェーン全体でのBCM強化に向けた調達戦略の見直しについて、電機メーカーA社様が実施した具体的な施策を紹介します。

解決策

取引先の事業継続評価と調達戦略の策定・見直し

サプライチェーン全体でのBCM活動の推進には、下記のような施策を実施することが有効です。

1.取引先の構造化と重要取引先の抽出

製品レベルで自社のサプライチェーン構造を可視化します。

【図1】サプライチェーンの構造例
【図1】サプライチェーンの構造例

調達量と調達品の特性(特殊、汎用等)から各取引先への依存度を評価し、重要取引先を抽出します。

【図2】取引先依存度の可視化と重要取引先の抽出
【図2】取引先依存度の可視化と重要取引先の抽出

2.取引先のBCM評価

取引先に対しては、BCMの取り組み状況の調査を行うことで、事業継続能力を評価します。

事業継続能力は、会社全体のBCMへの取り組みに対するマネジメント、および災害や事故等の不測の事態発生時の製品やサービスの供給能力の両面から評価します。

取引先のBCM評価結果と取引先の拠点リスク(所在地におけるリスク)評価結果を組み合わせ、自社のサプライチェーン構造のリスクを分析・評価します。

なお、電機メーカーA社様では、取引先の数が多いため、2000社以上の取引先から重要取引先800社を抽出し、アンケートによる調査を実施しました。

【図3】マネジメント/対応能力の分布
【図3】マネジメント/対応能力の分布

3.取引先のBCM評価結果に基づいた調達戦略の見直しと強化対策の実施

サプライチェーンのBCM強化には、取引先のBCM評価結果に基づく調達戦略の見直しが必要であり、以下の三本柱で構成されます。

  1. 取引先のBCM取り組み強化
  2. 調達のマルチソース化
  3. 自社在庫の確保

取引先のBCM取り組み強化は、取引先に対してBCM活動の推進や対応能力強化の要請等を行い、BCM取り組み水準の底上げを目的として実施します。

調達のマルチソース化は、代替性確保の観点からのマルチソース化を実施します。従来からのSCMでは、コスト、品質の観点から調達のマルチソース化は行ってきましたが、代替性確保というBCMの観点を取り入れます。さらに、シングルソースの取引先に対しては、取引先が被災した場合の代替先、切替手順等を事前検討します。

自社在庫の確保は、自社内での部材の在庫量、保管場所の見直しを実施します。

従来からのSCMでは、生産効率性、コストの観点から極限まで在庫量を調整してきましたが、取引先からの供給停止が自社の生産停止に直結することになりました。BCMの観点では、生産停止期間の短縮を目的として、在庫量、保管場所の見直しを追加します。

自社にとっての調達戦略の見直しは、基本的にはⅰ→ⅱ→ⅲの順番で実施することを優先します。

ただし、ⅰの実施にあたっては、単に要請するだけでなく、自社の取引先に対するBCM方針を明示することを目的とした説明会を実施し、評価のフィードバックを行うことが有効です。さらに、ⅱ、ⅲの実施にあたっては、SCMの観点での取り組みのバランスを考慮して行う必要があります。

【図4】取引先への依存度に応じた調達リスクの低減
【図4】取引先への依存度に応じた調達リスクの低減

成果

サプライチェーン全体でのBCM活動推進により、東日本大震災で迅速な対応が実現

電機メーカーA社様では、2007年からサプライチェーン全体でのBCM活動を推進し、自社のサプライチェーンの構造化、サプライチェーン上の取引先に対するリスク評価を進めてきました。

その結果、東日本大震災においては、2007年から蓄積してきたBCM評価結果を基に、被災した可能性がある取引先の抽出、および代替調達先の選定と確保を迅速に実施できました。

具体的には、取引先の被災状況確認後、一週間以内に取引先の復旧、代替先からの調達の見極めを行い、その上で、代替先からの調達が必要と判断した製品は、事前に代替可能であると検討していた取引先に対して発災直後からコンタクトを取り、速やかに発注を行うことで必要数量を確保できました。

さらに、シングルソースの取引先については、設計部門と協議して設計を変更することで代替製品を確保し、生産に対する影響を最小限に抑えることができました。

掲載日:2011年6月24日
(BCM事業部 コンサルタント 山田 昌和)


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