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ITIL® (ITIL® is a Registered Trade Mark of AXELOS Limited)の活用により情報システム運用の効率化を図るA県様

概要

ITIL®®の活用により情報システムの運用の効率化を図る解決策を提案

現在、ほとんどの地方自治体では、景気の停滞により、安定的な税収が見込めない状況となっています。そのため、地方自治体では、歳出の削減を目指し、様々な業務改革を行っています。A県様では、業務改革の一環として、内部事務系情報システム(以下、Bシステムと略す)の運用業務効率化について、検討を始めていました。富士通総研はA県様に対し、ITIL®®を活用し、運用の効率化を図るためのコンサルティングサービスを提供しました。ITIL®®(IT Infrastructure Library)とは、英国商務局がITサービス管理、運用規則に関する成功事例のエッセンスをまとめた一連のガイドブック集です。1989年の最初の出版から何度か改版を重ね、2007年に出版されたバージョン3が最新版となっています。

具体的には、まず運用業務の可視化を行うと同時に、ITIL®®を活用して、運用を行っている項目の網羅性について確認しました。そして、網羅性を確認した後、5つの効率化の観点から効率化施策の検討及び費用削減効果の算出を行いました。

課題

情報システムの運用に関する課題を「網羅性」と「効率性」の観点から整理

情報システムの運用に関する課題を、「網羅性」と「効率性」の観点から整理しました。

「網羅性」における課題とは、「現在、運用を行っている項目に不足はないのか」というものです。A県様では、Bシステムを庁内システムの中でも、重要システムの1つとして位置づけていました。そのため、運用の管理項目に不足があることにより、Bシステムの運用の可用性が損なわれることを懸念されていました。

「効率性」における課題とは、「現在の情報システムの運用には、無駄が生じている部分はないか、重複している作業はないか、というものです。Bシステムは、数メガステップのプログラム規模を持ち、いくつかのサブシステムで構成されています。そのため、システムごとの運用では効率性が充分担保されているものの、各システムを横串でみた場合には、まだ、効率化が可能ではないか、というのがA県様の意図でした。

解決策

富士通総研では、上記課題に対し、以下の手順でコンサルティングを行いました(【図1】参照)。「網羅性の確認」では、現行の運用業務を可視化した上で、ITIL®®を活用し、運用管理項目の網羅性の確認を行いました。「効率化の検討」では、効率化視点を設定した上で、その視点に基づく効率化施策の検討を行いました。そして、効率化施策を実行することによる費用削減効果の算出を行い、効率化施策のさらなる見直しを行いました。

「網羅性」で運用業務全体のヌケモレを確認してから、「効率性」を議論することで、「効率性」のみを求めすぎた結果、Bシステムの運用の可用性が損なわれることを万が一にもなくすことができます。

【図1】運用効率化コンサルティング検討フロー
【図1】運用効率化コンサルティング検討フロー

ⅰ.ITIL®®の活用による運用業務の「網羅性」の確認

「網羅性」の観点から、現在、A県様で行われているBシステムの運用に関する管理項目に不足がないかの観点から管理項目のチェックを行いました。運用の管理項目に不足があることにより、Bシステムの運用の可用性が損なわれることが懸念されたため、「網羅性」の観点から運用管理項目のチェックを行いました。

まず、Bシステムの運用業務を以下のように可視化しました(【表1】参照)。Bシステムでは、運用・保守に共通した項目を「運用管理」という項目で管理していました。そして、運用業務のうち、当該業務の業務知識に基づき運用を行うものを「業務運用」、業務知識をあまり必要とせずシステムなどで自動化できる運用を「システム運用」としていました。保守業務では、ソフトウェアの保守を行うものを「アプリケーション保守」、ハードウェアやネットワークの保守を行うものを「インフラ保守」としていました。

【表1】Bシステムの運用業務一覧
【表1】Bシステムの運用業務一覧

その上で、この運用業務一覧を基に、ITIL®®を活用し、運用業務の網羅性を確認しました。具体的には、上記の運用業務一覧を基に、下記のITIL®®に対し、対応付けを行いました。対応関係は、A県様と運用要員、保守要員と弊社でディスカッションを行いながら決定しました。

ITIL®®(バージョン3)では、運用業務全般をサービスとして捉えています。サービスの戦略を立案し、設計、移行した上で、運用、改善までの一連のライフサイクルで、運用業務全般を管理しようとすることが特徴です(【表2】参照)。

現行のBシステムの運用業務一覧とITIL®®(バージョン3)を比較・分析したところ、「サービスレベル管理」と「ITサービス継続性管理」が現在の運用業務には抜け落ちていることがわかりました。

「サービスレベル管理」とは、「当該サービスに対して、顧客とサービス提供業者が目標値を設定し、文書化するとともに、その目標値に到達したか否かにつき、モニタリングかつレポーティングする活動」を指します。

「ITサービス継続性管理」とは、「事故や災害などによりサービスが停止した場合においても、事業上の許容範囲内の時間で、事業上の許容できるレベルのサービスをし続けることができるようにするための一連の活動」を指します。

この結果を受け、富士通総研はA県様、運用業者、保守業者とともに、「サービスレベル管理」や「ITサービス継続性管理」をどのような形で導入していくかにつき、引き続き検討を行うことにしました。

【表2】ITIL®(バージョン3)による運用業務の「網羅性」の確認
【表2】ITIL®(バージョン3)による運用業務の「網羅性」の確認

ⅱ.効率化視点に基づく「効率化」の検討

「効率化」の検討にあたっては、業務のやり方を改革する視点として5つの視点を設定しました。5つの視点とは、「集約化」、「標準化」、「自動化」、「並列化」、「外部化」です。各視点の具体的なイメージは、以下のとおりです。

  1. 集約化
    Bシステムは大規模なシステムであるため、運用業務を行うグループがa班、b班、c班、d班の4つで構成されていました。各班に分散している業務を集約することで効率化を可能とする業務はないか等を効率化視点として設定しました。
  2. 標準化
    Bシステムの運用では、運用要員の個人ハウハウに依存(属人化)している部分が多く見受けられました。そのため、マニュアル等により標準化を図ることができる業務はないか等を効率化視点として設定しました。
  3. 自動化
    システム化により、ある程度の自動化は現在でも図られているが、さらなるツール化により自動化を進められないか等を効率化視点として設定しました。
  4. 並列化
    ジョブの実行中やバックアップ中において、待機時間を利用して他の業務を並列して行うことはできないか等を効率化視点として設定しました。
  5. 外部化
    現在、庁内に設置されているBシステムの情報機器をIDC(インターネットデータセンター)に移管し、IDCで運用を行うことで効率化を図ることはできないかを効率化視点として設定しました。

これらの効率化視点を基に、具体的な施策を抽出しました(表3参照)。その後、「実現容易性」と「期待効果」につき、A県様、運用業者、富士通総研の3者で協議を行い、設定、試算を行いました。

施策の「実現容易性」については、「業務の流れが大幅に見直しが必要」なもの、「システム変更が必要(ツール化等も含む)」なもの、「新たな人材が必要」なものを「困難」と定義し、その他を「容易」と判定しました。

「期待効果」については、定量的効果(削減工数に換算できるもの)と定性的効果に分け、整理しました。

最終的には、「実現容易性」と「期待効果」を踏まえ、A県様、運用業者、富士通総研の3者で協議を行い、「実行優先度」を決定しました。「A」は即実行すべきもの、「B」は費用対効果を考慮の上、実行するか否かを決定するもの、「C」は費用対効果及び実施後の業務の影響を考慮の上、実行するか否かを決定するもの、「×」は実行しないもの、としました。

【表3】効率化施策検討整理表(例)
【表3】効率化施策検討整理表(例)

成果

運用業務の効率化でコスト削減

上記解決策を実施することによる効果としては、以下の点が想定されました。A県様においては、本件のコンサルティング結果を踏まえ、効率化施策の実行及び期待効果の検証を行っています。

  • 現行運用業務の網羅性の確保
  • 効率化施策の立案
  • 効率化による運用コスト削減

掲載日:2011年4月12日
(公共事業部 シニアコンサルタント 若林 克実)


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