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自己診断によるモニタリング強化でIT業務プロセス改善を実現した流通業A社様

概要

IT内部統制を最適化し組織に定着させるため、現場で自己診断する体制を確立

流通業A社様では内部統制対応初年度を終え、負荷が高く運用が回らない、監査通過が目的化するなど、内部統制が組織として定着していないという課題がありました。そこでIT内部統制を最適化し定着化するために「現場で自己診断する体制」の確立に取り組みました。

課題

形式を優先した内部統制対応が業務効率低下や不備増大に繋がっている

2008年4月に施行された金融商品取引法(J-SOX)において、内部統制対応により負荷が増大し、費用対効果について疑問を感じている企業が多いことが各種アンケート調査結果に表れており、多くの企業で今後の自社の対応について悩まれていると想像されます。

【図1】J-SOX対応企業の現状
【図1】J-SOX対応企業の現状

A社様においても、規程・手順の整備を中心に行うことで法施行初年度を対応しましたが、以下に挙げるような実態があり、内部統制が組織として定着していないという問題意識がありました。

  1. 作成した規程・手順が作業負荷が高すぎるなどの理由で実施されず、ルールと実態が乖離。
  2. 業務の必要性からではなく、監査で説明することのみを目的とした資料の作成や、承認行為が行われるなど、非効率な業務プロセスとなり、負荷が増大。
  3. 結果として運用の抜け漏れが発生し、監査で不備指摘となるケースが多く発生。

本来の内部統制の趣旨は、COSOフレームワークでも示されているように、金融商品取引法(J-SOX)で掲げている「財務情報の信頼性」のみならず、「業務の効率性」、「コンプライアンス」の実現を目的とするものです。

そこで、A社様では、効率性の観点も含めた上でいかに内部統制を組織として定着させるか、言い換えると、「必要な統制が整備され、かつ効率的な業務プロセスで、リスクと統制を意識した日々の運用が行われる体制を構築すること」を課題として検討を開始しました。

【図2】COSOフレームワーク
【図2】COSOフレームワーク

解決策

目指すべき姿は現場主体で内部統制のPDCAを実行できること

検討にあたり、組織として内部統制が有効に機能し、かつ効率的な業務遂行が可能な目指すべき組織の姿を定義しました。内部統制では、業務における「リスクを認識し評価」することから統制の検討が始まりますが、リスクを認識し評価することができるのは現場責任者になります。したがって「現場主体で内部統制の自己診断、改善立案、実行、モニタリングといったPDCAを実行できること」を目指すべき姿としました。

次に、目指すべき姿に対する阻害要因について調査しました。

A社様ではすでに法対応の全社的手順として必ず自己診断を行い、その結果有効となったもののみ後続の内部監査、外部監査を受けることとなっていました。しかし、仕組み自体はあったものの、以下のような実態があり、実際には機能していませんでした。

  • 自己診断ルールに解釈の余地があったため、都合のよいサンプルを使い自己診断をしていた
  • 自己診断では押印の有無のみ見ており、その資料の妥当性(内容)まで踏み込んで確認していなかった

上記のように仕組みがあっても運用が回っていない現状への解決策として、現場に運用が定着するために、我々コンサルタントが自己診断に必要なノウハウを整理し、OJT形式でIT部門の担当者に対して支援を行いました。

具体的には以下のことを実施し、担当者の意識の醸成を促しつつ、自己診断スキル向上のためのナレッジトランスファーにつとめました。

  1. 自己診断で見るべき観点(網羅性、正当性、妥当性、効率性等)を整理し、自己診断の例示を作成。
  2. コンサルタントが当ツールを使いながら担当者とマンツーマンで自己診断手順の作成を支援。
  3. 自己診断の会議の場で実効性のある自己診断が行われるよう、適切なサンプルの抽出、発見事項の対応などを支援。

成果

自己診断で業務プロセスが簡素化、現場責任者に統制意識を醸成

これらの取り組みを行うことで以下のような成果を得られ、現場でのPDCA体制構築の一歩を踏み出しました。

  1. 自己診断により不適切なプロセスが発見・是正されることで、業務プロセスが統制を保ちつつ簡素化され、手順書や内部統制評価用資料などもシンプルに記載できるようになった。
  2. 担当者の意識についても、自己診断において見るべき観点や自己診断の進め方などのノウハウがわかり、現場責任者が自分たちで不備を発見するなどの成功体験を得ることによって統制意識を醸成できた。

また、取り組みの成果として、監査対応においても不備指摘が6分の1に減少し、監査人とより重要度の高い指摘に関する議論に注力できるようになりました。

お客様現場責任者からは、リスクと統制および自己評価観点を理解することにより監査対応のため余計な作業を行っていた箇所が発見でき、それを是正することによって業務をシンプルにすることができた、との評価をいただきました。

今後、A社様では、監査対象部署毎の統制面、組織面(PDCA体制など)における成熟度を測ることによって、全社的なモニタリングを行う体制を構築していく予定です。

掲載日:2010年4月26日
(内部統制事業部 シニアコンサルタント 時安 裕)


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