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センシング技術を活用し、サービス品質を可視化した百貨店A社様

概要

RFID技術を用いてエレベーターの待ち時間の実態を可視化

エレベーターの待ち時間は、大型小売店舗のサービス品質を表す指標のひとつです。しかし、待ち時間の実態を把握することは困難であり、改善の道筋が見えずに苦慮していました。今回、RFID技術を用いて実態を可視化することに成功しましたので、ご紹介します。

課題

ベビーカーのお客様がエレベーターに乗れないというクレームは氷山の一角か

百貨店A社様の店舗では、ベビーカーのお客さまがフロア間を移動する手段はエレベーターしかありません。そのため、10基あるエレベーターを全てベビーカーのお客さま優先にしています。具体的には、優先であることの表示、混雑時間帯における係員の案内などを行っています。それにもかかわらず、ベビーカーのお客さまからの「エレベーターになかなか乗れない」というクレームが月に数件発生していました。

もし、このクレームがたまたま運悪くタイミングが合わずに発生した事象であるなら、個別対応で済みますが、数件のクレームが氷山の一角であり、サービス品質低下を招いているのであれば、エレベーターを優先ではなくベビーカーのお客さま専用にする、エレベーターを増設する、などの対策を打たねばなりません。しかし、このクレームが氷山の一角であるのか、偶発的なのものなのか判断ができないため、積極的な対応策を打つことができずにいました。

解決策

そこで、ベビーカーのお客さまの待ち時間の実態を、富士通研究所のセンシング技術を活用して可視化する実験を行いました。目をつけたのは貸し出し用のベビーカーです。この貸し出し用のベビーカーにRFIDのタグをつけ、エレベーターホールに設置したリーダー装置によって、各タグの検知情報から待ち時間を解析する仕組みです。

1.採用したセンシング技術の仕組み

今回採用したアクティブ型のRFIDタグは電波を常に発信しています。タグがリーダーに近づくと、リーダー側で電波をキャッチして、タグの固有番号を取得します。リーダーが検知できるエリアをエレベーターホールに合致させることで、あるタグを検知してから検知できなくなるまでの時間が、待ち時間であると推定できます。

2.電波強度の解析で『通過した』のか『待っていた』のか判別

エレベーターホール内におけるタグの検知・非検知情報だけでは、ベビーカーのお客さまが「通過」しただけなのか「待っていた」のかを判別することは困難で、実態を把握することはできません。そこで、実態を正しく把握するために知恵を絞り、検知・非検知情報ではなく、電波強度の推移から「通過」なのか「待っていた」のかを判定する方法を考案しました。具体的には、電波が徐々に弱くなると、「エリアから離れていった(=通過した)」と判定し、電波が急激に弱まり消えていると、「エリアから突然消えた(=エレベータに乗った)」と判定する解析プログラムを開発しました。これまでのRFID活用例では、物流における出庫・入庫検品や、レンタル品の管理など、単純に「検知・非検知」情報だけを利用した例が多い中、今回の仕組みでは「電波強度の解析」という点で新規性があります。

3.実態把握のための検証

実験の仕組みによって収集した「待ち時間」の精度を検証すること、ならびに貸し出しベビーカー以外の私物のベビーカーのお客さまの状況も確認するために、調査員による目視での実態調査を行い、データとの整合性確認も行いました。

【図1】RFIDタグの電波強度を利用した状態判定
【図1】RFIDタグの電波強度を利用した状態判定

成果

実験の結果、驚くべきことが分かりました。ベビーカーのお客さまの平均のエレベーター待ち時間は3~4分なのですが、10分以上待たされているお客さまも相当数存在していたのです。件数に換算すると月間数百件になります。実験結果は、月数件のクレームの裏側には、物言わぬ多くのお客さまが存在している可能性を示唆するものでした。

クレーム実態の可視化により、百貨店A社様では、具体的な対応策の検討を行うことを決断されました。また、本実験では、詳細な分析から、待ち時間だけでなく、長時間の待ち時間が発生する時間帯・場所、ベビーカーのお客さまの動線、滞留時間などのデータも把握し、提供することができました。これらのデータは対応策を検討する際に役立ちます。例えば、エレベーターをベビーカーのお客さま専用とする時間帯や、係員の配置先を適切に選定することができるでしょう。

このように、富士通総研では富士通研究所と連携して先進技術を活用し、これまで手をつけることが困難だった課題領域にも積極的に取り組み、新しい課題解決方法を生み出しています。

掲載日:2010年2月4日
(流通・サービス事業部 シニアコンサルタント 安藤 美紀)


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