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デジタル社会に適応困難な貧困者の問題 ―貧困者のITリテラシー問題と世代別対策―

デジタル社会に適応困難な貧困者の問題

―貧困者のITリテラシー問題と世代別対策―

上級研究員 大平 剛史
発行:2018年7月

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要旨

現在、社会のデジタル化が進み、生活の隅々までICTが浸透している。デジタル化の恩恵を享受するには、ICT機器を的確に操作して、情報を取捨選択し、自分が持つ情報の安全を確保できる能力、すなわち最低限のITリテラシーが必要である。逆にそうした能力が十分でなければ、仕事や生活に支障をきたすようになりつつある。

なかでもICT機器に触れる機会が少ない貧困者は、ITリテラシーを身につけづらいため、仕事や生活上の危機に瀕しやすい。社会のデジタル化についていけず、取り残されそうになっている貧困者のITリテラシー問題に対処する必要がある。

本研究では、そうした問題の現状を把握した上で、異なる問題を抱える世代ごとに、現行の対策と課題、短期的に実施可能な打開策、参考になる事例・情報を整理した。そのために、文献調査に加えて、対策を実施している職業訓練校や市民団体、貧困者などへのインタビューを行った。

その結果、地域・職場コミュニティの弱体化や、自己責任論の風潮を背景として、ITリテラシーが不十分で孤立しがちな各世代の貧困者が、自分の強みや経験を活かせる職を得たり、社会的孤立を防ぎながら日常生活を送ったりすることが難しくなってきていることがわかった。現行の対策は、各世代とも操作系ITリテラシー(いわゆるコンピューターリテラシー)を身につけるためのものが中心であり、情報活用系ITリテラシー(いわゆるメディアリテラシー)や、ルール系ITリテラシー(いわゆる情報セキュリティリテラシー)向けの対策が不足していることが課題であることもわかった。

そこで打開策を検討したところ、短期的なものを低コストで実施できる可能性があることがわかった。具体的には、対面教育など、他者との接触が不可欠な施策の他に、教材開発やeラーニングなど、貧困者が1人でできる訓練を助ける非対面施策も、実施できる可能性がある。

今後はさらに、ITリテラシーが不十分な貧困者を、社会的弱者として包摂する社会制度・規範づくりについても、研究する必要がある。また、障がい者貧困層向けの対策も、同様の観点から詳しく研究する必要がある。

大平 剛史

執筆者

上級研究員

大平 剛史

 

2015年 早稲田大学 大学院アジア太平洋研究科国際関係学専攻 博士後期課程 修了後、2016年 富士通総研入社。 専門領域は、個人の社会適応支援、観光と地域産業活性化、国際関係論・安全保障研究、アジア地域研究(ASEAN・東アジア・南アジア)

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