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価値創造のための企業価値評価のあり方 ―ESG対応から戦略的活用へ―

価値創造のための企業価値評価のあり方

―ESG対応から戦略的活用へ―

主席研究員 生田 孝史
発行:2018年6月

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要旨

日本では、ESG(環境、社会、ガバナンス)投資に対する関心が高まり、財務情報と非財務情報を含めた統合報告を実施する企業が急増している。企業価値の外部評価の例として、年金積立金管理運用独立法人(GPIF)が採用した総合型日本株ESG指数について、2017年12月現在の構成銘柄を調べてみると、統合報告の実施は、ESG指数の選定に必須ではないが、選定されやすい傾向があった。さらに、ESG構成銘柄のなかでも、統合報告実施企業のほうが、ESG評価が高い傾向にあり、統合報告の有効性が示された。しかし、GPIFのESG指数構成銘柄かつ統合報告実施企業163社の開示情報を調べてみると、国際統合報告フレームワークにおける6種の資本を参照しながら価値創造プロセスに言及した企業は全体の25%、定量情報を開示している企業はわずか8%にすぎず、企業自身が企業価値を総合的に評価・判断して価値創造を図るレベルには至っていない。

企業自身が情報開示や意思決定に企業価値の情報を用いるためには、データの定量化が望まれる。総合的な企業価値を共通の単位で示すために、非財務情報の金額換算が注目されており、海外では、企業活動による社会への影響(インパクト)の価値を金額換算して評価する企業が現れている。例えば、LafargeHolcimやArgosは、企業活動に伴うインパクトを経済、社会、環境の3側面から金額換算する試みを行っており、さらにBASFやAkzoNobelはバリューチェーンも考慮した評価を行っている。また、Crown Estateは、国際統合報告フレームワークの6種の資本についての金額換算を試みている。

企業が価値評価を有効に活用していくためには、目的を明確にしたうえで、その目的に対応した取り組みを検討すべきである。ESG対応やステークホルダーへの情報開示を目的とする場合は、ESG公開情報の充実を図るべきである。さらに、企業価値評価を意思決定や事業計画、コミュニケーション等に戦略的に活用しようとすれば、企業価値の定量化に取り組むことが望ましく、金額換算の試みに加えて、SDGs貢献の定量評価も今後重視されるだろう。

生田 孝史

執筆者

主席研究員

生田 孝史

 

1990年 東北大学大学院修士課程修了、(株)長銀総合研究所入社、
1998年 米国デラウェア大学大学院修士過程修了、(株)富士通総研入社
専門領域:環境・エネルギー政策、環境・CSR関連事業・経営戦略、社会イノベーション、自然資源活用型地域戦略など、企業や地域の持続可能性をテーマとした研究活動

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