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共生ケアの効果と新たな価値 ―変化する自立支援の意味と介護サービス―

共生ケアの効果と新たな価値

―変化する自立支援の意味と介護サービス―

上級研究員 森田 麻記子
:2018年6月

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要旨

介護に関わる課題に対し、分野横断型の「共生」という概念の下に、年齢・属性を問わない包括的なケアの体制が模索されている。政府は2018年度の介護保険制度改定において「共生型サービス」を創設し、2020年代初頭には「地域共生社会」を確立すると打ち出している。本研究は日本において特徴的な共生ケアの取り組みを対象とし、共生ケアがどのように効果や新しい価値生んでいるのかをリサーチクエスチョンとする。定性研究によって実践を探索的に考察することから、その創出プロセスを明らかにすることを目的としている。特に、共生ケアのなかでも「ごちゃ混ぜ」型(同じ空間で同時にシニアや子供が長時間過ごす)ケア拠点に焦点を絞り、民間企業が実践する共生ケアの取り組み実態に関する定性調査を行った。

調査の結果から明らかになったのは、1. 関係性の増加と変容がもたらす介護観の変化、2. 日常性を提供することが新たなサービスとなっている点、3. 保育と介護の類似性である。現場の介護観とサービスの内容は従来のケアから徐々に変化を遂げている。子供を含む様々な人の出入りにより、「介護」現場は「介護」だけに特化した場でなくなり、混沌とした日常的な要素を含むようになる。それにより、利用者である高齢者の行動はサービスを受ける人としての振る舞いから、コミュニティに暮らす「個人」へと変わっていく面がある。より日常的な場で、利用者である個人は自ら役割を探し、与え手であった職員は、次第にその行為を見守り、適宜サポートすることが主な日々の業務のひとつとして認識されている。この「見守り」が保育と介護を繋げる要素としても職員に理解されているが、字面のとおり見守るというよりは、見守りをとおした観察によっていかに潜在性を引き出すサポートを提供するかに主眼が置かれるようになっている。

このような介護を含むケアという営為の捉え方が職員の間で変化している一方で、日常性を提供するサービスを実現するには、調整業務の増大や介護ニーズの特定が難しくなるという課題も浮かび上がっている。介護の実践が転換の時を迎えている今、こういった課題をサポートする新たな体制が必要とされている。

森田 麻記子

執筆者

上級研究員

森田 麻記子

 

2012年~2015年 デンマーク、オールボー大学、比較福祉研究所(Centre for Comparative Welfare Studies)に4年間在籍し、2016年 富士通総研入社。専門領域は社会政策学、高齢者福祉、ライフコース研究。

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