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サステナブルでレジリエントな企業経営と情報開示

上席主任研究員 生田 孝史
プリンシパルコンサルタント 藤本 健
2018年1月

要旨

近広範かつ複雑化するリスクや非予見性の高いクライシスへの対応による業績向上と、ESG(環境、社会、ガバナンス)投資やSDGs(持続可能な開発目標)などの社会課題への対応による企業価値向上を両立するための取り組みが企業に求められている。ビジネス環境の急激な変化(ショック)に適応するためのレジリエントな企業活動と、社会や環境の緩やかな変化(ストレス)に適応するためのサステナブルな企業活動の整合性を確保することが必要である。特に大企業の場合、組織の統合を目指すよりも、リスク視点の共通化、すなわち、「将来予見の情報・文脈の共有」を起点とした取り組みが現実的であり、共通化したリスク視点に基づき、事業部門とCSR部門がそれぞれリスクアセスメントを行い、個別に検討した事業戦略とCSR戦略の整合性を確保するためのレビューを行う取り組みが重要となる。実際に組織内のプロセスに実装する場合、ISO31000(リスクマネジメント)とISO26000(社会的責任)の両ガイダンスの統合的な活用が有効であろう。

企業に対して非財務情報開示を要請する動きは、ESG投資の拡大、証券取引所による要請、政府による義務付けなどの形でグローバルに強まっており、ガイドラインなどの整備も進んでいる。最近では、グローバル大手企業だけでなく、新興国などの大手企業でも非財務情報を開示する傾向が強まっている。強制力のある施策が導入されていない日本でも、大手企業を中心に非財務報告が活発に行われ、統合報告を実施する企業が急増している。2017年のフォーブスグローバル2000にランクインした日本企業225社の公開情報を調べたところ、製造業の98%が非財務報告を実施しているのに対して、非財務報告を実施している非製造業は60%に過ぎなかったが、非製造業の上位企業は91%が非財務報告を実施し、特に統合報告の取り組みが製造業より進んでいる。また、非財務報告及び統合報告の実施企業は財務パフォーマンスが高い傾向が見られた。非財務情報開示を企業価値の向上につなげるために、コミュニケーションツールとしていかに活用するかが問われることになり、パフォーマンス評価が不可欠となる。


全文はPDFファイルをご参照ください。
サステナブルでレジリエントな企業経営と情報開示 (2.49 MB )


富士通総研 コンサルティング本部 ビジネスレジリエングループ プリンシパルコンサルタント 藤本 健

藤本 健(ふじもと たける)
株式会社富士通総研 コンサルティング本部 ビジネスレジリエングループ
プリンシパルコンサルタント

富士通株式会社入社後コーポレート部門を経てコンサルティング部門に異動。2007年より株式会社富士通総研。主な専門はリスクマネジメント、環境・エネルギーなど。近年はサイバーセキュリティに関するコンサルティングに従事。