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  5. ICTによる火災避難の最適化 ―地域・市民による自律分散協調システム―

ICTによる火災避難の最適化 ―地域・市民による自律分散協調システム―

上級研究員 上田 遼
2017年5月

要旨

首都直下地震の発生確率は、30年以内に70%とも指摘されており、想定される被害、影響の大きさから喫緊の社会課題となっている。首都直下地震時の同時多発火災では、木造密集地域を中心に火災による多数の犠牲者、負傷者が想定されており、火災遭遇リスクを避けて避難を完了することは重要な課題である。

本研究では、首都直下地震時の同時多発火災に対する安全な避難誘導方法の提案を目的として、マルチ・エージェントシミュレーションを用いた検討を行った。

災害時には、情報把握が極めて限定され、広域避難についてもそれが大いに該当する。火災の発生情報は、地域に住む住民が目撃、遭遇し局所的に把握しているものである。それとともに、住民は避難指示等の行動情報を自治体に依存している。一方、住民の避難誘導は、住民が現地に持つ局所情報を自治体が収集し、避難指示等の判断を下す必要に迫られることになりうる。これらの相互依存性に着目した情報の媒介が重要と考えられる。

本研究では、幾つかの基礎的な検討の上、避難の最短化と火災の回避のトレードオフについて述べた上で、住民が火災を簡易に報告できるアプリケーションから火災に対する安全領域と経路を評価し、危険経路を淘汰した形で住民にフィードバックする自律協調分散システムを提案した。これにより、安全な経路、危険な経路を市民自ら共創し、避難を行うことができると考える。

既定のリスク・ガバナンスのフレームを超え得る想定外の激甚災害に対して、市民の自律的な働きが及ぼす潜在力は大きいと期待しており、またグローバルにもそれが求められつつある。市民・社会のレジリエンスを高めるための媒体としてのICTについて、本検討を基盤に今後も論じていく。


全文はPDFファイルをご参照ください。
ICTによる火災避難の最適化 ―地域・市民による自律分散協調システム― (4.27 MB )