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Japan

SDGs時代の企業戦略

上席主任研究員 生田 孝史
2017年3月

要旨

2016年からスタートした国連の持続可能な開発目標(SDGs)は、2030年までに国際社会が達成すべき17目標169ターゲットから構成され、社会課題解決に向けた取り組みを考慮する際のグローバルな「共通言語」となる。SDGsは各国政府に課せられた目標だが、人材・技術・資金力を有する企業の貢献への期待は大きく、情報開示上の要請、バリューチェーン上の要請、政府の要請・支援などが、企業の取り組みを促す。企業にとってSDGsの取り組みは、リスク管理だけでなく、社会課題解決型ビジネスを検討するヒントにもなる。SDGsを企業戦略に活用するためのツールやガイドラインも開発・提案されている。

日本企業のSDGsへの関心は急速に高まっている。主要企業の23%がSDGsを参考・検討中であり、最終消費者に商品を提供する輸送用機器、電気機器、食料品、化学・医薬品などや、ESG投資に関わる金融・保険の業種において、SDGs参考・検討中の比率が高い。フォーブスグローバル2000にランクインした国内大手企業の33%がすでにSDGsについて言及しており、ランク上位企業、製造業においてSDGs言及比率が高い。これまでのところ、企業トップのメッセージ等でSDGsへの認識を表明する程度の企業が大半だが、一部の企業は、自社の方針や重要課題分析などへのSDGsの反映・参照、さらには自社事業とSDGsの関連付けに着手している。

SDGsへの貢献を考慮した新たな取り組みを検討せずに、既存の取り組みをSDGsと関連付ける「後付けのラベリング」に満足したままでは、企業のSDGsの取り組みは一過性のブームに終わるおそれがある。目的の明確化、組織的対応、SDGsの正しい理解などの課題は、企業が試行錯誤を重ね、知見やノウハウが蓄積することで、改善が期待できる。企業がSDGsの戦略的活用に向けた取り組みを考える際の基本的なポイントは、SDGsの理解を大前提として、自社事業とSDGsの関わりについてリスクと機会を把握することと、個々の事業活動についてSDGsの視点の使い方を具体的に検討することである。さらに、取り組みを継続的に行うためには、成果について、例えばロジックモデルを活用して、SDGsの視点から評価し、改善を図っていくことが望まれる。


全文はPDFファイルをご参照ください。
SDGs時代の企業戦略 (1.95 MB )