GTM-MML4VXJ
Skip to main content

English

Japan

  1. ホーム >
  2. 調査・研究成果 >
  3. 研究レポート >
  4. 2015年 >
  5. 立法爆発とオープンガバメントに関する研究 ― 法令文書における「オープンコーディング」の提案 ―

立法爆発とオープンガバメントに関する研究 ― 法令文書における「オープンコーディング」の提案 ―

主席研究員 榎並 利博
2015年3月

要旨

社会における様々な問題を解決したり、ITなどの新技術を社会で有効に活用したりするためには、従来の社会制度、特に法律を新しい制度や技術に合ったかたちへと迅速に改正していく必要がある。換言すれば、社会構造の変化が人々の生活を悪化させないよう、またITなどの新技術の国際的な競争力を高めるために、立法過程を迅速かつ効率的に進めるための社会基盤が必要である。本研究は、今後の社会変動や技術革新に直面する将来の世代のためにも、より効率的な立法という社会基盤の実現のためITが大いに貢献できるという仮説のもと、法律とITのあるべき関係性について探求したものである。

我が国における立法環境を定量分析すると、近年法律の制定や改正が激増する「立法爆発」(注1)という現象が生じており、それによって立法ミスが多発するなどの社会的問題も起こっている。一方、法律とITとの関係から問題を捉えてみると、技術進歩に法改正が追いついていない現状があると同時に、ITや法令工学によって立法爆発問題を解決しようという努力が、法的制約による限界や工学的考え方の行き詰まりによって壁に突き当たっている。

そこで、電子政府の世界的な潮流であるオープンガバメントの考え方から立法爆発を捉え直し、解決するための方法について検討を行った。その結論として、透明性・参加・協働という基本理念の下で、多くの人や機械が法律の制定や改正に関わり、かつ促進させることができるような社会基盤である「オープンコーディング」という考え方を提唱する。

下記がオープンコーディングの原則であり、オープンコーディング規約については実際のマイナンバー法に適用し、その適用結果を検証することでオープンコーディングの可能性の大きさを提示することができたと考える。

  1. 法令文書の原本は電子ファイルとし、インターネットを介して法令提供データベースで提供する法律を原本とすること。
  2. 法令文書のバージョン管理を行い、現時点および過去のある時点での法律を即時に提供できるようにすること。年の記述については和暦ではなく、西暦を使うこと。
  3. 法令文書の書式は横書きとすること、漢文調の片仮名・文語体を平仮名・口語体に書き直すこと、簡潔に記述すること。
  4. 法令文書の書式は、オープンコーディング規約に則ること。
  5. 法令文書の制定・改正について、国民が参加できる協働立法作業環境を提供すること。

注釈

(注1)
宇野(2014)における用語。「立法のインフレーション」、「立法の洪水」という言葉を使う立法学者もいる。


全文はPDFファイルをご参照ください。
立法爆発とオープンガバメントに関する研究
― 法令文書における「オープンコーディング」の提案 ―
[2,155 KB]