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グリーン経済と水問題対応への企業戦略

上席主任研究員 生田 孝史
2013年3月

要旨

世界的な人口増と経済活動の活発化に伴って様々な資源制約や環境問題の増大が顕在化するなか、環境保全と経済成長の両立を図る「グリーン経済」の実現が国際的課題となっている。グリーン経済実現の大きな制約条件とみなされているのが、水問題の深刻化である。水問題と言っても、水需給ギャップ、水関連災害、安全な飲料水と衛生施設の整備、水質汚染、水道施設老朽化など、経済発展の度合いや地理的特性によって深刻さが異なり、エネルギーや食料の安全保障との相互連関が問題解決をさらに複雑にしている。流域単位での水質管理に重点を置くEUや、水の安全保障を重視する米国、水不足対応の技術開発を競争力強化につなげようとするシンガポールなど、世界的に水対策が強化されており、市場メカニズムを活用した水質保全対策なども行われている。

日本国内では水問題はあまり深刻ではないが、企業活動に伴うバリューチェーン全体を考えれば、水問題についての明確な対応が日本企業にも求められる。企業が水問題への戦略的な対応を検討するためには、水問題の重大性に対する認識を共有し、水という視点から自社の取り組みを整理して情報開示した上で、国際競争の視点によるリスク対応を強化し、ビジネス機会を模索するべきである。水リスクへの適切な対応は、費用削減、ブランド価値向上に加えて、ビジネス提案による競争力強化の機会につながる。水インフラの需給調整や漏水管理、水質・水害監視、事業効率化など水問題解決にICTを活用する試みが、先進国だけでなく新興・途上国でも増えている。上下水道事業を中心とする水ビジネス市場だけでも、世界全体で2025年には2007年比2.4倍の86.5兆円に増加すると予測されている。日本政府も公民連携による海外の水ビジネスへの参画支援に取り組んでいるが、最先端技術の評価が高い一方で、資金力・運営ノウハウなどの点で欧州系の大手企業に劣り、価格面で新興企業に太刀打ちできないという課題がある。日本が水ビジネスを競争力ある成長産業にするためには、水インフラ事業のあり方を含めた戦略的検討が必要である。

全文はPDFファイルをご参照ください。
グリーン経済と水問題対応への企業戦略 [1,563 KB]