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チャイナリスクの再認識

―日本企業の対中投資戦略への提言―

主席研究員 柯 隆

2012年12月

要旨

  • 30余年前から始まった「改革・開放」政策により中国経済と中国社会は目覚ましい変貌を成し遂げた。しかし、鄧小平は「改革・開放」政策を実施するにあたり、経済の自由化こそ推進したが、民主主義の政治改革には着手しなかった。多くの外国企業にとり中国に進出するにあたり、何の心配もなかったわけではない。
  • 日本企業を含む外国企業は、長い間、種々のチャイナリスクに直面しながら中国でビジネスを展開してきた。中国の「改革・開放」政策の初期、中国に進出した日本企業はかなりの部分において「対中民間ODA」の性格が強かった。
  • 胡錦濤政権下でほぼすべての改革はスローダウンし、失われた10年といわれている。この失われた10年で幹部の腐敗を抑制できなかっただけではない。GDPの拡大を追求するあまり、資源の無駄遣いや環境破壊の深刻化といった負の遺産が急速に積み上がった。
  • 中国でモノづくりを展開する企業にとり、人件費の上昇は企業の投資収益を抑制し、それによって中国進出の魅力は徐々に減退している。そのなかで、中国進出の日本企業をはじめとする外資系企業において労働者のストライキが多発している。一部の外資系企業においては、このまま中国に止まるべきかどうかについて中国投資戦略のあり方が再検討されている。
  • 現行の政治制度では、習近平政権は大きな過ちを犯さなければ、2022年まで政権を担当することになる。新政権誕生の最初の1-2年は、政権を完全に掌握することが難しく、大きな政治空白が生じる可能性がある。世界銀行の試算では、2016年から2020年の間で、中国の総人口がピークアウトするとみられている。そこで、経済成長は次第に減速してくるものと思われる。2022年に再び政権交替を迎える中国社会はいっそう不安定化する可能性が高い。
  • 日本企業は中国社会の変化や、日中関係の変化に左右されがちである。今回の尖閣諸島の事件は日本企業に今後の対中投資の在り方を再考する良い機会とも考えられる。それは中国から撤退するという契機ではなく、中国でいかにして勝ち抜くかの戦略をこれから打ち出していく重要な契機である。

全文はPDFファイルをご参照ください。

チャイナリスクの再認識 ―日本企業の対中投資戦略への提言― [983 KB]