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生物多様性視点の地域成長戦略

上席主任研究員 生田 孝史

2011年8月

要旨

地域ごとに異なる生物多様性の保全を適切に実施するために、地域レベルの取り組みが重視されている。国の政策をリードする実験的な先行取り組みの役割としての期待も大きく、生物多様性視点の成長戦略の実施主体としての地域の創意工夫は重要である。都道府県に対して2012年10月までに生物多様性地域戦略の策定に着手することが要請されているが、2011年7月末現在、地域戦略を「策定済み」あるいは「策定見込み」の都道府県は全体の35%(16道県)に過ぎず、「検討中・予定」32%、「不明」34%という構成比は、努力義務のみで策定時期目標を持たない政令指定都市の取り組み状況と大差がなかった。

生物多様性地域戦略と地域経済成長との関連付けは必須ではないが、生物多様性地域戦略の内容が明確な先行取り組み27自治体の85%(23自治体)が、地域活性化・産業振興との関連付けを行っていた。ほとんどの自治体が農林水産業・関連産業の振興に言及しており、生物多様性に配慮した農林水産物の「地域ブランド」化の検討例が多い。エコツーリズムに代表される観光・交流型産業の振興についての関心も高い。一方、生物多様性保全技術の振興に関する地域レベルでの検討例はほとんどない。経済効果の評価、生物多様性指標や評価ツールの開発、市場メカニズムの活用は、海外での取り組みが先行しており、地域レベルの試行錯誤から結果的に国際標準化に進む傾向がある。

生物多様性視点の地域成長戦略の検討には、生物多様性の現況評価、保全・回復方策の検討、対策効果の評価、地域資源の洗い直しと既存施策の見直し、成長戦略への適用可能性の検討、継続的改善の仕組みの構築のステップに沿って、地域の特性と政策目標を考慮しながら政策具体化の優先順位を検討すべきである。生物多様性に配慮した魅力ある都市・地域づくりや生物多様性配慮型企業・商品の育成・支援のほか、一部の先行自治体には、評価指標やツールの整備、市場メカニズム活用などの実験的取り組みへの着手が期待される。

全文はPDFファイルをご参照ください。

生物多様性視点の地域成長戦略 [872 KB]