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北欧から考えるスマートグリッド

~再生可能エネルギーと電力市場自由化~

主任研究員 高橋 洋

2011年1月

要旨

スマートグリッドが世界的に注目を集めている。スマートグリッドは、IT(情報技術)の力で多様な供給者と需要者をリアルタイムに繋ぎ、電力の需給を分散的に最適化する、次世代の電力網を指す。欧州では地球温暖化対策として再生可能エネルギーを導入するという動機から、アメリカでは拡大する電力市場において発電や送電への設備投資を抑制するという動機から、スマートグリッドへの取り組みが進んでいる。

これに対して日本では、電力市場の拡大が見込めず、また再生可能エネルギーの普及率が低いため、いずれの動機も顕在化していない。一方で既存の電力システムが高い水準で確立されていることもあり、電力会社を中心にスマートグリッドに対して前向きでなかった。しかし日本でも、欧州と同様に再生可能エネルギーの導入という動機があるはずであり、特に北欧の取り組みを参考にしてスマートグリッドに本格的に取り組むべきというのが、本稿の主張である。

北欧では、1990年代から電力市場の自由化を進めてきたが、それがスマートグリッドの前提となっていることが重要である。供給者と需要者が市場において自由に電力を取引することが、需給の最適化を図る最も効率的な手段であると信じられ、実践されている結果、デンマークの風力発電がノルウェーの水力発電によって補完されるなど、北欧4カ国で不安定な再生可能エネルギーが柔軟に吸収されている。今後他国も風力発電などを大幅に増加させる計画になっており、電力の逆潮流への系統安定化対策として、家庭などの需要者をスマートメーターによって能動化する必要があると考えられている。その手段がスマートグリッドなのである。

日本では、再生可能エネルギーを大量導入する動機も、そのための技術的蓄積もある。一方で、家庭用太陽光発電対策に特化した、独自の「日本型」スマートグリッドを追求する動きもあり、ガラパゴス化が懸念される。北欧からの教訓を踏まえて考えれば、日本もグローバル標準に沿ったスマートグリッドを積極的に推進すべきであり、その前提として電力市場の自由化を早急に進めるべきというのが、筆者の提言となる。

全文はPDFファイルをご参照ください。

北欧から考えるスマートグリッド
~再生可能エネルギーと電力市場自由化~
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