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生物多様性視点の企業経営

主任研究員 生田 孝史

2010年8月

要旨

2010年10月の名古屋での生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)開催を受けて、生物多様性問題への関心が高まっている。とりわけ、生物多様性が生み出す自然の恵みを受ける一方で、生物多様性に影響を及ぼしているビジネスの役割が重視されるようになり、国内でも、生物多様性保全に対応した企業経営への取り組みが強く求められている。

COP10の議論は、国内対策の強化、民間参画の要請強化、遺伝資源の国家資産化、生物多様性保全資金の流通拡大という形で、企業にとって、対策コストの上昇リスクとともに、ビジネス機会拡大をもたらす。開発事業者等への生態系損失補償義務を導入している約30か国を中心に、生物多様性オフセット等の市場メカニズム活用が盛んである。

企業活動による生物多様性への影響は、業種や業態によって大きく異なるが、グローバルなサプライチェーンも含めたリスク管理の必要性は共通である。10年7月末現在、国内の主要製造業100社中82社が、自社の取り組み・考え方を生物多様性の視点で言及しているが、具体的な方針・ガイドラインの制定や、調達方針、影響評価、ビジネス開発に言及した企業は1割前後であり、多くの企業が具体的な取り組みに着手した段階である。

世界の生物多様性関連ビジネス市場規模は08年実績で約650億ドルであり、今後の成長が予想されている。現状は、既存ビジネスの転換色の濃い生物多様性配慮型製品・サービスが大半だが、生物多様性保全・再生や支援サービスなどの新規ビジネス拡大も期待される。企業は、生物多様性に関する自社のリスクとチャンスを冷静に分析・把握し、事業戦略を検討する契機としてCOP10を活用すべきである。政府は、国際的な生物資源争奪と生物多様性関連ビジネス開発競争の進行を考慮し、生物多様性視点の国際競争力強化を成長戦略の中に明確に位置づけ、生物多様性配慮型企業の育成・強化を支援すべきである。

全文はPDFファイルをご参照ください。

生物多様性視点の企業経営 [844 KB]