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カーボンオフセットと国内炭素市場形成の課題

主任研究員 生田 孝史

2009年8月

要旨

個人や企業が温室効果ガス排出を埋め合わせるために、他から排出削減クレジットを購入したり、他の場所で削減プロジェクト等を実施するカーボンオフセットは、温暖化対策への貢献機会の拡大、意識啓発、安価な削減手段の獲得、CO2の経済価値認識等の理由から自主的な取り組みの一環として注目され、様々なサービスが提供され始めている。

世界の炭素市場は、EU-ETSが牽引する形で、取引量が急増している。ボランタリー市場の取引量は全体の2.5%に過ぎないが規制的市場以上の伸びで急成長しており、世界経済危機下でも需要は底堅い。規制的市場のない我が国では、オフセット活動に利用可能なクレジットは、国内外起源の排出枠・クレジットや証書など多様であり、目的に応じて適切なクレジットを調達する必要がある。

国内では、07年4月から09年3月までの2年間で144のカーボンオフセット商品が市場に投入されており、1商品あたり平均3,000t-CO2のクレジットが用いられている。欧米中心に250以上のオフセットプロバイダーが存在する海外での取扱クレジットの主流はVERであるが、国内カーボンオフセット商品の87%はCERを用いているために、オフセット手段の割高化、国内資金の海外流出、政府口座への移転という問題が生じている。

主要先進国で進行中の排出量取引制度の導入計画を考慮すると、市場拡大ポテンシャルは現状の3倍となる。環境産業育成の原資調達目的から、排出枠をオークションで有償割当する考えが主流である。日本の炭素市場は発展途上であり、現行の自主的取引スキームの実効性の向上、多様なクレジット乱立の是正、環境投資の原資確保といった課題を抱えている。排出枠割当による規制的な排出量取引制度導入の工程表を作成し、先駆的なボランタリー市場との相互補完機能を明確にした健全な国内炭素市場の形成を図るべきである。

全文はPDFファイルをご参照ください。

カーボンオフセットと国内炭素市場形成の課題 [678 KB]