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  5. 消費の長期変動と構造変化 -所得・価格弾性値の推定を中心に-

No.236 : 消費の長期変動と構造変化

-所得・価格弾性値の推定を中心に-

上席主任研究員 長島 直樹

2005年8月

要旨

財政状況の悪化から、増税論議が活発化している。一方、今後の日本経済の成長持続性は、個人消費の動向に大きく依存している。増税が消費をどの程度抑制するかは、所得効果、価格効果如何にかかっている。本稿では消費全体と項目別の消費支出に関して、各種の弾性値を推定し、税制へのインプリケーションを考察している。その結果以下のことがわかった。

  1. 1998年秋を境に、所得と一般物価のトレンドが上昇から下降に変化しており、それに伴って、所得・価格弾性値も大幅に変化するという構造変化が起こっている。所得効果、価格効果(一般物価効果)とも、下降期は上昇期と比べて大きくなっている。この意味で、消費は所得や物価の上昇よりも下落に対して大きく反応する傾向がある。
  2. 実質購買力の低下率が同じでも、所得減少の影響は物価上昇の影響よりも大きい。この意味で貨幣錯覚が観察される。消費者が、所得税増税(減税の廃止)を名目可処分所得の低下、消費税増税を一般物価の上昇と考えるとすれば、増税の消費に対する影響は所得税の方が消費税よりも大きくなる。
  3. 消費項目別に見ると、衣食住関連は以前は所得効果が小さかったが、1998年以降大幅に上昇し、教養娯楽などを上回るに至っている。所得の減少に対して、家計はこうした日常的、基礎的な消費分野の消費を切り詰めることによって対処したと推測される。
  4. 所得や物価の変動に反応しにくいという意味で、独立性の強い消費分野が存在する。98年秋以降、耐久消費財や教養・娯楽といった従来は選択的と見られていた分野が「独立消費分野」になっている。こうした消費分野の消費量は、供給の質的制約や新商品・新サービスの登場に影響を受けやすく、またこれらの分野の消費拡大が消費全体の増加につながりやすい。

全文はPDFファイルをご参照ください。

消費の長期変動と構造変化 -所得・価格弾性値の推定を中心に- [853 KB]