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No.193 : 新しいマネーの登場とそのインパクト

主任研究員 米山 秀隆

2004年3月

要旨

  1. 近年、世界的にみて、法定通貨とは別に、特定のエリア(またはコミュニティ)でのみ通用する貨幣(=内部貨幣)を発行する動きが活発化している。内部貨幣発行の目的は、相互扶助活動の活性化や経済の活性化である。内部貨幣は、形式的には、紙幣方式、帳簿方式、口座方式(それが進んだICカード方式)に分類できる。
  2. 最近の日本での新しい動きとしては、紙幣方式で、法定通貨のように複数回流通するタイプが登場したこと、また、より進んだICカード方式を取り入れたり、内部貨幣の機能のすべてを併せ持つ貨幣を導入する動きも現われていることなどをあげることができる。一方、ポイントに代表される企業通貨については、それが電子マネーと結びついて、使用範囲を企業の枠を超えて広げることで、貨幣としての機能を高める動きが現われている。現在の日本では様々な内部貨幣の誕生とその相互乗り入れが同時並行的に起こっているという状態であり、こうした動きが発展すれば、日本から内部貨幣に関する先進的なモデルが生み出される可能性もある。
  3. 内部貨幣は信頼できる仕組みと参加メンバーの下でやりとりされる性質のものであり、内部貨幣を媒介にして、信頼の和を消費者同士、消費者と商店、あるいは消費者と生産者の間で築き、その中で地域独自の産業を育むことができれば、地域の自律的な成長につなげることも可能である。またそこには、市場的な財・サービスの取引だけでなく、ボランティアなどの非市場的な財・サービスの取引をも介在させることができる。それが発展すれば、「内部貨幣経済圏」とでもいうべきものを生み出す可能性をも秘めている。
  4. 内部貨幣は、原理的にはこのような可能性まで持つが、今のところは、地域においても、企業においても、法定通貨による経済関係を補完するものとして現われている。その意味で法定通貨と内部貨幣は共存しており、今後も現実的には、法定通貨の機能を補うものとして発展していく可能性が高い。しかし、法定通貨ではなし得ない、様々な結びつきを柔軟に形成することができるという点だけをとってみても、内部貨幣の果たす機能は注目に値する。その点で内部貨幣は、様々な応用可能性を持っていると考えられる。

全文はPDFファイルをご参照ください。

新しいマネーの登場とそのインパクト [301 KB]