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  5. 地方改革におけるマニフェストの可能性

No.191 : 地方改革におけるマニフェストの可能性

主任研究員 田中 啓/主任研究員 小野 達也

2004年3月

要旨

  1. 英国を範とするマニフェストが、日本においても昨年(2003年)より国政選挙・地方選挙(首長選挙)の両方において実践されるようになっている。国政選挙においては、総選挙に合わせてマニフェストの配布が可能となるよう公職選挙法が改正され、これを受けて、主要6政党がマニフェストを国民に示して選挙戦に臨んだ。一方、地方の首長選挙においては、マニフェストが見切り発車的に導入されたこともあり、地方にマニフェストを導入する意義については、いまだに十分な議論がなされているとは言いがたい。さらに、首長や行政機関が実際にマニフェストを具体化していく上で、どのような課題や問題点があり、それらにどのように対応していけばよいかという点についても、ほとんど解明されていないのが現状である。マニフェストは地方改革に新たな可能性をもたらすものであるが、現在のままでは、せっかくマニフェストを導入しても、そのメリットを十分に発揮することができない可能性がある。
  2. そこで、地方にマニフェストを導入する意義や実践上の課題・問題点等を明らかにすることを目的として、マニフェストを掲げて当選した知事を擁する自治体(5道県)の実態を調査・分析した。その結果、庁内のスピードアップや職員の自主性向上など、マニフェストが様々な好ましい変化をもたらしていることが確認された。同時に、マニフェストの質やその周知、あるいはマニフェストの実現状況の評価・監視といった面では、様々な問題点や課題を抱えていることも明らかとなった。
  3. マニフェストは、閉塞感のある自治体に新たな改革の契機をもたらす起爆剤となる可能性を秘めている。またマニフェストの理念は様々な主体の共感や理解を得ていることから、今後も選挙に際してマニフェストを示す首長候補者が増加していくことが予想される。
  4. 以上から判断すると、マニフェストの問題点を最小限に抑えながら、マニフェストのメリットを発揮させていくことが今後の目指すべき方向性だと考えられる。そのためには、(1)マニフェストの質的向上、(2)有権者がマニフェストを知る機会の拡大、(3)マニフェストについての事後的な評価・監視が特に重要である。このいずれが不十分であっても「マニフェストのサイクル」をうまく機能させることができない。逆に「マニフェストのサイクル」がうまく機能すれば、マニフェストを軸とした地域の改革や発展につながる可能性が高まる。これらの課題を解決するためには、政治家(首長候補)や行政だけでなく、議会、地域住民、マスコミなど行政外部の主体がマニフェストの評価・監視面を中心として積極的な役割を担うことが必要である。

全文はPDFファイルをご参照ください。

地方改革におけるマニフェストの可能性 [359 KB]