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No.186 : サステナブル・コーポレーションへの変革

主任研究員 生田 孝史

2004年2月

要旨

  1. 大手企業を中心に多くの日本企業が、環境マネジメントシステムの導入、環境報告書の作成、環境会計の導入などの環境経営に取組み、国際的にも高いレベルにまで環境配慮型企業への変革を図ってきた。しかし、持続可能な社会の構築という視点から社会が企業に対して求める質と内容は変化している。企業にとっては、これまでの環境経営を精緻化するとともに、環境・経済・社会に総合的に配慮した(サステナブル)経営戦略を策定することが今後の課題となっている。
  2. 企業のサステナビリティに対する利害関係者(ステイクホルダー)の関心は欧米で先行していたが、近年、海外動向の波及に加えて、国内の消費者や地域社会、投資家、金融機関などの関心が高まっており、日本企業の認識も急速に進んできた。2001年には環境報告からサステナビリティ報告への移行を試みた企業が9社であったのに対し、2003年末には72社に急増した。特に、海外事業の比率が高い業種(電機や輸送機器など)、あるいは国内の消費者や地域社会との関わりの深い業種(小売、電力など)に積極的な情報発信を行う企業が多い。
  3. サステナブル経営を実施するためには、まず、ビジョン・方針を策定した上で、事業活動のサステナビリティの向上と、その結果として社会のサステナビリティの向上を図るための戦略を策定する必要がある。事業活動のサステナビリティを向上させるためには、専門部会や専門委員会の設置などによる社内体制の整備や、環境マネジメントシステムを発展させたサステナブルマネジメントシステムの導入とともに、評価指標の策定による目標設定やパフォーマンス評価が重要である。また、ステイクホルダー・マトリクスの活用や双方向型の対話を通じて、ステイクホルダーからの期待・要請に注意を払いながら戦略を策定・実施することが求められる。さらには、企業市民としての社会貢献活動だけでなく、製品やサービスの供給を通じて社会のサステナビリティ向上に寄与しているかをチェックしてアピールすることが望まれる。
  4. 日本企業のサステナビリティに対する取組みが国際的に十分に評価されているとは必ずしも言えない。ビジョンやポリシーの明確化や社内体制の整備、ステイクホルダーとのコミュニケーション、グローバル市場でのサプライチェーン・マネジメントなどの取組みは、欧米の一部企業が先行している。サステナビリティへの要請が高まるなか、日本企業が国際競争力を強化する方策を検討するためのカギは、取引構造などに見られる日本企業特有の強みを生かすことと、情報技術分野などで特に期待されるビジネスを通じたサステナブル社会への貢献姿勢を強くアピールすることにある。

全文はPDFファイルをご参照ください。

サステナブル・コーポレーションへの変革 [687 KB]