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No.185 : 中国環境ビジネスの市場性と日系企業

主任研究員 金 堅敏

2004年1月

要旨

  1. 1990年代に入り、日本を含め先進国での国内環境問題は基本に解決され、対策投資も頭打ち、環境ビジネス市場も飽和状態になってきた。国内で蓄積された技術やノウハウ、人材等の経営資源は生かされなくなり、供給過剰で各社の経営は厳しさを増している。他方、中国では、止まらぬ人口増加、高度経済成長に伴う経済活動の活発化、原材料・エネルギー消費の急速な拡大、資源・エネルギー利用効率の低さ等の指標は、いずれも環境悪化の方向に働いている。このような環境の悪化が環境対策の加速や環境投資の拡大を促し、環境ビジネス市場は15%以上の伸び率で成長している。
  2. 現在、実施されている中国の『十・五』環境計画における主要汚染物質対策目標は10%以上の削減と高く設定されているが、2002年の実績で検証すると、高度な技術や多額の投資が要求される脱硫問題や都市生活廃水処理問題がネックになっている。中国政府は、環境対策投資資金(環境施設整備資金と運転資金と含む)の不足問題を解消するため、これまでの環境規制強化とともに、経済的手法による環境対策に政策の重点を移し、環境事業を収益のあがるビジネスとして主体を政府から民間セクターに譲る制度的な枠組みの整備を加速させている。汚染物質排出課徴金制度の導入(排出基準をクリアしても徴収)、都市下水処理・ゴミ処理に対する課徴金の徴収、投融資制度の改革と民間資金(内外資を問わず)導入の奨励など環境対策事業の市場化推進が図られている。
  3. 環境ビジネスの市場性について、現地で最も評価されているビジネス分野は、水処理・ゴミ処理設備、消耗品としての薬品類、次は大気汚染防止設備、環境測定・汚染物質測定機器である。しかし、日系企業に対するヒアリングによると、中国環境ビジネス市場は付加価値が低く、環境規制が緩く日系企業の高い技術力の優位性が発揮できない等の理由で、中国の環境ビジネス市場における日系企業の多くは苦戦している。公共事業やODA事業に慣れきったビジネス感覚と日系企業得意の「カタログ販売」モデルが、中国市場開拓の足かせになっている可能性がある。
  4. ただし、日本の技術力と中国の市場の接点を見つけ出せば、日本企業の環境技術やノウハウが中国の環境保護舞台で大いに活用できると考える。成功するためには、1.強みを生かせる事業戦略の推進、2.支払能力のある地域へのアプローチ、3.現地化推進等の競争戦略の練り直し、4.トータルソリューションベンダーへの脱皮、5.現地市場の適合性検証等、市場志向型の公的サポートが重要である。

全文はPDFファイルをご参照ください。

中国環境ビジネスの市場性と日系企業 [587 KB]