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  5. 中国人民元の為替政策に関する分析

No.181 : 中国人民元の為替政策に関する分析

主任研究員 柯 隆

2003年12月

要旨

  1. 中国経済は目覚しい発展を遂げているが、その結果、競争力強化による人民元為替相場の切り上げ要求が日米を中心に高まっている。その背景として、人民元為替相場の切り上げが行われれば、中国製品の輸出価格が上昇し、日米など中国の主用貿易相手国にとって中国からの「脅威」が幾分緩和されると期待されていることがある。
  2. 人民元切り上げ要求に関する中国政府の公式見解は、人民元為替相場の安定は中国のみならず、世界経済にとっても望ましいということである。しかし、経済規模が急速に拡大している中国経済にとって、その通貨の為替相場が長期に亘って米ドルという単一通貨に固定することは、実体経済に与える負担が次第に巨大なものにことに繋がる。換言すれば、人民元の為替調整は中国にとっても利益になるということである。
  3. 中国の国際収支に目を転じると、経常収支も資本収支も黒字が維持されている。本来ならば、大量のドル建て資金の流入は人民元高につながるが、外為集中政策が採られている中国において、人民銀行(中央銀行)は毎日のようにドル買い・元売り介入を実施している。その結果、人民元の対米ドル相場は8.28元のレベルに維持されていると同時に、中央銀行が管理する外貨準備は急増している(2003年10月末、4,010億ドル)。
  4. アメリカ政府は中国に対して為替市場への介入を止めるように求めている。通貨の為替相場が市場で決まるべきだというのはアメリカの主張である。同時に、米国の研究者は、人民元の変動幅を現在の1%未満から5%前後に拡大し、米ドルに対するペッグから円・ドル・ユーロからなる通貨バスケットに対するペッグに変更することを提案している。
  5. 中国政府は中期的に人民元の為替調整について前向きの姿勢を示しているが、短期的には為替調整に慎重な姿勢を崩していない。また、現段階において人民元の為替調整は必ずしも日米両国の経済及び日米企業にとって利益になるとは限らない。とくに、すでに中国に進出している両国の企業にとって人民元の切り上げは逆に不利益が生じる可能性がある。
  6. 中国にとって人民元の為替調整に慎重な態度を採るもう一つの背景は、香港経済の行方と香港ドルの取り扱いである。中期的にみれば、中国は金融制度改革と不良債権処理を進めつつ、資本市場の開放の進捗を見ながら、人民元の為替調整を実施することになろう。

全文はPDFファイルをご参照ください。

中国人民元の為替政策に関する分析 [741 KB]

中国人民元の為替政策に関する分析 (English) [979 KB]