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No.162 : 中国の家計所得と消費構造に関する分析

主任研究員 柯 隆

2003年4月

要旨

  1. 中国経済はこれまでの20年間平均9%以上の成長を成し遂げてきた。経済成長が実現された背景に、計画経済時代の平等主義から先に豊かになれるのを認める「先富論」によるインセンティヴの賦与がある。結果的に、経済発展のエンジンだった国有企業は徐々に市場から退出し、その代わりに、民営企業や外資企業は経済成長を牽引する原動力となったのである。
  2. 一方、これまでの経済高成長は、社会保障制度や税制など所得再配分の諸制度が用意されないまま実現されたため、富裕層の出現とともに、社会的弱者層も急速に増加している。かつて、計画経済の時代において、中国社会は農民層と労働者層からなる二元化した社会構造であったが、今やその構造は多元化・多層化が進んだ。
  3. しかし、中国社会構造の多元化・多層化は直感的に察知されていたとしても、それを実証する統計データはなく、政府のポリシーメーカーも投資家も従来のマクロ経済統計をもとに、政策と戦略の考案を余儀なくされてきた。
  4. こうしたなかで、中国国家統計局は都市部において家計部門の所得や資産所有の実態を調査し、その成果を発表した。同時に、中国社会科学院の研究グループは中国社会構造多元化・多層化の現実に着目し、その実態を把握するために、内外の研究者の支援を得て、「当代中国社会階層研究報告」を公表した。しかし、同報告書は発行された直後に発禁処分となった。拙稿は同報告書のデータの一部を利用し、中国社会構造実態の分析を試みたものである。
  5. 2001年12月中国は念願のWTO加盟を果した。それをきっかけに、中国市場はいっそう開放され、グローバルスタンダードのビジネスマナーも中国で定着するものと期待されている。そのなかで、外資系企業、とりわけ日系企業の対中投資戦略が問われる。日系企業の対中直接投資は80年代に遡るが、その基本は一貫して中国を生産拠点とする再輸出型のものだった。しかし、中国のさらなる市場開放をビジネスチャンス拡大の良い機会と捉え、新たな投資戦略を構築していかなければならない。一言でいえば、日系企業の対中投資姿勢はもっと現地化する必要があると指摘しておきたい。なぜなら、従来の再輸出型の投資より、中国国内市場を狙う事業戦略のほうが、中国市場や社会構造の実態を的確に把握しなければならないからだ。
  6. では、日系企業は具体的にどのような事業戦略を講じるべきだろうか。中国社会構造の多元化・多層化の現実からすれば、日系企業は自らの比較優位である強い技術力とエンジニアリング能力を活かして、当面は高付加価値の製品をもって中国市場を攻めるべきではなかろうか

全文はPDFファイルをご参照ください。

中国の家計所得と消費構造に関する分析 [532 KB]