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No.136 : 中国有力地場企業の競争戦略と日系企業への示唆

主任研究員 金 堅敏

2002年5月

要旨

  1. 生産額や資産総額のベースで見ると、中国製造業の「外資企業化」が進んでいる。特に、中国の輸出の半分以上はこれら外資系製品である。他方、1980年代から90年代前半にかけて中国市場を席巻した外国ブランド製品は、新たに台頭した地場ブランド製品に抑えられシェア後退が余儀なくされている。日常製品から家電等の耐久消費財へ、さらにはIT製品まで、中国市場における地場ブランド製品のシェアが拡大されつつある。これらの競争力ある製品を生み出している地場有力企業は、高い市場シェアを有しているだけでなく収益性も比較的高い。
  2. 現地フィールド調査や統計データ・関係資料への分析を通じて明らかにされたのは、これらの地場有力企業は、弱みと強みを合わせ持っているということである。弱みとしては、(1)技術力がまだ弱いこと、これは技術開発投入の少なさ及び技術力のバロメーターとしての特許出願の少なさから確認できる。(2)生産現場に近いほど弱い体質を有すること、これは新製品設計能力、操作技術、保守技術、工程管理、品質管理、在庫管理の弱さによって説明される。(3)ブランド力が形成途上であること、これは現地消費者へのブランドイメージ調査や外国ブランドへのあこがれ、外国有名ブランドへのコピーが深刻になっていることから理解される。
  3. 地場有力企業の強みとしては(1)販売力が強いこと、これはローカル市場への認識の深さ、マーケティング・販売から出発した体質、代金回収ノウハウの蓄積等から説明される。(2)人的資本重視、インセンティブ・メカニズムが確立されていること、これは、盛んなヒューマン・リソース・マネジメントのイノベーションによって確立される社内人材市場、「以人為本」・「信賞必罰」の制度等から確認できる。(3)収益性・キャッシュ—フロー重視の経営姿勢、これは徹底した財務管理、無借金経営への努力、在庫品や代金への引当制度、盛んなM&A活動等から理解できる。
  4. 強い技術力、品質管理等生産現場での強み、現地に浸透していたブランド力等の長所を有する日系企業は、技術力と収益性を一致させるべきであり、対中ビジネス・モデルの再構築を急ぐべきである。(1)具体的には、膨大な技術ストックを再評価し、技術取引で企業収益力を強化すべきである。(2)地場企業の長所である販売力、人的管理能力、代金回収やコスト管理ノウハウ等を取り入れ、対中ビジネスの競争力を高めなければならない。(3)地場企業との既存関係を再評価し、強い外部経営資源を有し、自社の競争力強化に活かせるパートナーと新たな提携関係を模索すべきである。

全文はPDFファイルをご参照ください。

中国有力地場企業の競争戦略と日系企業への示唆 [199 KB]