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  5. 米国大学における研究成果の実用化メカニズムの検証 -日本における産学イノベーションシステムの構築に向けて

No.94 : 米国大学における研究成果の実用化メカニズムの検証

-日本における産学イノベーションシステムの構築に向けて

上級研究員 西尾 好司

2000年10月

要旨

  1. 米国では、大学の研究成果の実用化を促進するために、研究協力(共同研究や委託研究)と連邦政府資金による研究成果の民間への技術移転、ベンチャー企業の設立を3つの柱とした産学間のパートナーシップ促進政策が進められている。
  2. 研究協力については、共同研究センターの設立支援プログラムを提供し、全米各地で様々な研究分野の産学共同研究センターの設置が進んでいる。研究成果の民間への移転促進については、バイ・ドール法により大学の研究資金の多くを占める連邦政府資金による研究成果の権利帰属の方針を全面的に改め、大学が権利を取得できるようになった。以後、大学ではTLOの設置が進み、バイオを中心に産学間の技術移転が活発もなった。また大学が組織としてベンチャー企業を設立することにより、新たな研究成果の実用化のシステムが作られている。しかも、最初に企業が大学との関係を構築するために、大学はリエゾンプログラムを整備している。
  3. 現在の米国の産学連携システムは、制度化・組織化されたシステムである。研究成果の権利帰属の取り扱い方針、大学教官の学外活動に関する規程など、大学で生み出された知識を実用化へつなげるのに実効性を高める制度が整備されている。また、大学が企業との窓口として、産学共同研究センターやSPO、TLO、ILPの窓口を整備している。特に、SPOやTLOなどは、教官と企業との間に介在することで、大学として産業界との連携を積極的に進める一方で、教官を守る役割を果たしている。
  4. 一方日本では、産学連携促進に向けた取り組みが行われている。しかし、依然として多くの課題が残されている。国立大学に産学の研究協力の場として設置された地域共同研究センターはその役割を十分に機能していない。研究成果の民間への移転促進に関しても、TLOの設立支援政策はあるが、研究成果の権利帰属の制度については改正されていない。また、企業との研究協力における資金の使途やそこから生まれる研究成果の権利帰属が国と企業との共有になるなど、企業が大学の研究成果を活用して資金や人材を投資していく環境が整備されていない。
  5. 今後は、ライセンシング推進だけでなく、研究成果の取扱いの変更や共同研究センターの充実など、産学で研究協力ができる環境を整備していくことが求められる。

全文はPDFファイルをご参照ください。

米国大学における研究成果の実用化メカニズムの検証 -日本における産学イノベーションシステムの構築に向けて [320 KB]