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  5. 医療介護費の将来推計と保険制度統合

No.90 : 医療介護費の将来推計と保険制度統合

主席研究員 松山 幸弘

2000年9月

要旨

  1. 介護保険制度導入後の制度体系を前提に、2000年度~2050年度の期間における医療費と介護費を、実質賃金上昇率(≒経済成長率)が0%、1%、1.5%、2%のケースに分けて2000年貨幣価値換算で推計を行った。その結果、65歳以上人口が増加すると同時に在宅サービスの供給体制整備が進む2010年までは、医療介護費の増加率が実質賃金上昇率を大きく上回るが、2010年度~2025年度の期間はその乖離幅が縮小、2025年度以降は人口減少効果が高齢化効果を上回ることを主因に、医療介護費増加率が実質賃金上昇率を下回ると推計された。
  2. 厚生省作成の2000年度予算データから推計すると、2000年度の医療介護費約34兆円のうち公費は11兆5千億円であり、消費税率に換算すると4.59%となる。現行制度を前提に公費負担の消費税率換算を将来推計すると、実質賃金上昇率2%のケースで、2010年度5.9%、2025年度6.37%、2050年度5.4%となる。すなわち、公費負担のピーク時である2025年度でも2000年度と比べた負担増は消費税率換算で1.78%であり、その後はむしろ低下する。
  3. 一人あたり負担額の増加率が世代間で同じとした場合、70歳以上高齢者の医療介護費一人あたり負担額(2000年貨幣価値換算)は、2000年度の24,080円から、実質賃金上昇率2%のケースで2010年度34,619円、2025年度50,934円、2050年度83,654円と増加する。給付引下げを伴う今回の年金改革を前提にこの医療介護費一人あたり負担額が社会保障給付(≒年金)受取額に占める割合を80歳について計算すると、2010年度11.3%、2025年度19.6%、2050年度19.7%と2000年度現在の11.3%からの負担増はさほど大きくない。
  4. このように医療介護費の負担増が克服不能なほど大きくないことを国民に明示した上で、負担増に見合う満足度向上と世代間負担の公平化が実現する仕組みを提供するのであれば、2000年度に予定されながら白紙撤回された医療改革について国民のコンセンサスを再構築することは可能と思われる。その具体策として、地域医療介護圏情報ネットワークによる効率化と満足度向上を前提に、次の3つの追加提言を行うこととしたい。
    • 追加提言(1):職域別医療保険を廃止し地域別医療保険(国保)に一本化する。
    • 追加提言(2):医療介護分野のIT活用促進の財源をタバコ税に求める。
    • 追加提言(3):65歳以上高齢者については医療保険と介護保険を統合する。

全文はPDFファイルをご参照ください。

医療介護費の将来推計と保険制度統合 [89.2 KB]