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  5. 中国WTO加盟のインパクト -雇用調整問題を中心に

No.81 : 中国WTO加盟のインパクト

-雇用調整問題を中心に

研究員 金 堅敏

2000年5月

要旨

  1. 20年間にわたる「改革開放」政策の実施により中国経済の対外依存度は2倍以上に高まってきた。また、中国の貿易黒字の七割は米国から稼いでおり、中国はもはや米国市場なしでは食っていけないほど対米依存度を高めてきている。さらに、中国輸出の約半分が外資系企業によって行われている。このように中国経済成長における貿易・外資の貢献度は大きい。したがって、中国は、(1)世界市場へのアクセスの確実性確保、(2)中国の輸出拡大に向けられると思われる貿易保護主義に対処するための枠組みの確立、(3)経済改革・経済成長に欠かせない外資を引き込むための「改革開放政策の継続」の対外姿勢表明、などの理由から市場開放で大幅譲歩してもWTO加盟を待ち望んいると考えられる。
  2. 米中合意等によりWTO加盟で変わる点は以下のように指摘できる。(1)中国は相当短期間でかつ大規模な市場開放(製品・サービス、投資市場を含む)を行わなければならないこと、(2)市場開放は基本的に中国の貿易や投資障壁の一方的な撤廃であり、他のWTOメンバー国の対中関税・非関税障壁は変更する必要がほとんどないこと、(3)WTO加盟後、貿易関連投資措置(TRIMs、ローカル・コンテント要求、輸出入均衡要求、外貨バランス要求等)が直ちに禁止されるので外資系企業製品内販急増の可能性があること。(4)WTOの透明化ルールによって、WTO加盟後は法令・規則及びその運用の透明性と安定性が求められることである。
  3. 市場開放により中国の産業地図は大きく変わる。労働集約産業や技術・資本の蓄積がある産業は伸びると予想されるが、高関税・数量制限等によって保護されてきた穀物栽培業、自動車産業、金融サービス業や通信産業等は競争劣位にあると考えられる。廉価良質な輸入品及び外資系企業からの競争が激化し、数百万ないし一千万人単位の雇用調整者が出ると予測される。国有企業改革でリストラされるレイオフ者や農村余剰人員等を合計して実質で約1,700万人の失業者を抱える深刻な雇用問題と合わせて考えると、中国WTO加盟の最大の懸念は雇用問題であると言える。
  4. グローバルな企業競争に直面せざるを得ない現状を考えられば、雇用対策も失業給付等のセーフティーネットの整備と充実という従来の発想にとらわれずより積極的なアプローチが必要であると考えられる。本研究では、(1)企業の政策負担解消、競争環境整備による雇用維持能力向上対策、(2)規制撤廃、効率的な産業・企業の成長による雇用吸収能力アップ政策、(3)創業規制改革、ベンチャ事業支援、技術開発支援による雇用創出対策、雇用調整バッファーの提供:緊急輸入制限措置の制度化と産業調整ファンドの設立等の対策を提言する。

全文はPDFファイルをご参照ください。

中国WTO加盟のインパクト -雇用調整問題を中心に [105 KB]