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No.79 : アジア相互依存の幻想-域内貿易構造の考察

主任研究員 杉浦 恵志

2000年5月

要旨

  1. アジア経済は通貨危機から輸出主導で回復しているが、今後も従来の輸出主導型発展メカニズムで成長を維持できるということなのだろうか。輸出主導型発展は元来域外市場に依存するものであり、自律的な発展戦略とは言い難い。果たして域内需要はそれに代わる成長の原動力になりうるのであろうか。
  2. 90年代を通じて、確かに域内貿易の占める比率は上昇してきた。ところが、域内貿易が中間財を中心としたものであるならば、それは域外市場からの最終需要財輸入が生み出した派生需要にすぎない。本研究は、貿易統計の分類体系を再編集することにより中間財と最終需要財を分離して、派生需要を正確に把握した。
  3. 分析の結果、アジアの域内貿易は予想どおり中間財が太宗を占めていた。域内の大国日本の輸入額は米国に比べ少ないだけでなく、輸入構成においても中間財の派生需要を生み出しやすい耐久性最終需要財の比率が少ない。アジア相互依存は未だ砂上の楼閣であると言わざるを得ないのではないだろうか。
  4. アジア相互依存は、脆弱なうえ不完全でもある。生産体制は依然として華人系とASEAN系のサブシステムに分かれており、分業効率を損なっている。ただ、最近になって両サブシステムが一体化する兆しを見せており、地域全体の国際競争力がアップする反面、中国と競合するASEAN4諸国は大きな試練に直面するであろう。
  5. 日本にとってアジアは最大の輸出先であり、アジアの経済回復からどの国よりも大きな恩恵を受ける。最終需要財の輸入が域内中間財貿易を乗数的に派生させることに鑑み、アジアからの輸入促進を単に市場任せにするのではなく、国家的な戦略として検討すべきではないか。

全文はPDFファイルをご参照ください。

アジア相互依存の幻想-域内貿易構造の考察 [174 KB]