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No.67 : これからの日本のリーディング産業とその育成

主任研究員 安部 忠彦

2000年1月

要旨

  1. バブル経済崩壊以降、これまで日本経済の成長を牽引してきた自動車や半導体産業等が停滞し、日本経済は低成長を余儀なくされている。このため、旧来型リーディング産業自身の変身を含め、新たなリーディング産業の出現が求められている。本調査研究では、新たなリーディング産業を探り出し、その成長を促進するための方法について検討した。
  2. まず、新たなリーディング産業の候補を、これまでの産業構造変化やリーディング産業変化のトレンド、今後の社会・需要変化や科学技術が向かう方向という4つの視点から選んだ。具体的には、産業構造変化のトレンドからは情報サービス産業、リーディング産業変化のトレンドからは、情報サービス産業も含む情報通信、情報通信多使用産業、社会・需要変化のトレンドからは、高齢者介護産業を含む医療・福祉、情報通信、環境、バイオ産業、科学技術のトレンドからは情報通信、バイオ、環境産業などが候補として挙げられる。
  3. しかし、これらは、並列に位置するのではない。インターネットを核とする情報通信産業を基盤とし、これをうまく利用する流通など情報通信多使用産業がその周囲に形成される。高齢者介護産業やバイオ産業、環境産業は、一部は情報通信多使用産業としての性格を持ちつつも独自の需要を生み出し、情報通信産業とはやや独立に存在する面も有する。時期的にも、バイオや環境産業のリーディング産業化は遅くなるだろう。
  4. 現状、これらの産業の多くは、期待されながら、なかなか成長できない状況にある。その理由は、新リーディング産業候補が必要とする経営資源と、これまで日本が培ってきた強みとが、必ずしも一致しないことにあるようだ。すなわち、これまで日本が強みとしてきたのは、系列内や工場現場内という、すでに価値基準や情報を共有し合った仲間内での、生産工程における技術者と技能者の協業、技能者の改善ノウハウの高さなど、生産現場レベルでの経験主義的なもの作りの匠(たくみ)さにあった。
    一方、これからより求められるのは、インターネットなどを介した、様々な価値基準を持つ多様な相手の評価や協業能力、生産というよりはアイデア・開発工程での能力、環境変化の中で先見性を持ち、選別と集中を果敢に行うといった、新たなビジネスモデルを構築できる能力のようだ。これを断行できるのは、経営トップの強いリーダーシップである。
  5. リーディング産業育成のためには、どの産業、企業にとっても、インターネットの活用がまず重要である。このため、経営トップの情報リテラシー向上、情報投資効率を上げるための業務変革とそれを指導する専門部署の策定、インターネットを核とした新たなビジネスモデル構築が不可欠である。通信料金の引き下げ、競争を促進する規制緩和、優秀な外国人ソフトウエアエンジニアの長期滞在の許可なども必要となろう。これらができて始めて、日本が強いもの作り能力も生きてくる。

全文はPDFファイルをご参照ください。

これからの日本のリーディング産業とその育成 [160 KB]