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Japan

No.63 : 環境経営の高度化

研究員 生田 孝史

1999年11月

要旨

  1. 環境意識の高まりは世界的な潮流であり、来るべき持続型社会に企業が適応するためには、自主的に環境経営を実践し、その高度化を図る必要がある。企業の環境対応を促すステイクホルダーの動向についてみると、日本では、従来、行政と地域住民からの圧力が主流であったが、最近では、欧米で見られるような、投資家や取引先・消費者などが企業の環境配慮度を評価した投資行動や購買行動をとる動きが出始めている。
  2. 日本企業の多くは、環境理念の確立と環境マネジメントシステムの導入を終え、試行錯誤しながら環境経営の高度化を図ろうとしている。そのためには、各種環境経営ツールを導入し、そのパフォーマンスを適切に把握した結果を経営にフィードバックする体制を構築しなければならない。特に、製造業にとっては、ライフサイクルマネジメントの発想が求められる。社外的には、ステイクホルダーとのコミュニケーションによる環境信用力の形成だけでなく、環境配慮型の製品やサービスを市場に提供することによるビジネスチャンスの創出が望まれる。
  3. 環境経営高度化のカギは、環境パフォーマンス評価手法の改善である。環境会計や環境効率性指標の導入が試みられているが、現状では社内管理用途が主流であり、ステイクホルダーへの説明力の向上が求められる。具体的には、比較可能性の向上やライフサイクルコストの把握、経済効果と環境保全効果の統合などが今後の課題である。
  4. 環境経営の高度化は、環境リスクの回避、環境対策の合理化、社外信用力の向上などの具体的な効用があり、長期的には企業競争力の維持・向上に寄与するものである。日本企業に今求められていることは、リスク対応・企業防衛的な発想に基づく受動的な環境経営からの脱却であり、環境経営の率先実行による環境配慮型ビジネス展開を通じて、環境問題解決のためにステイクホルダーをリードするという発想が必要である。

全文はPDFファイルをご参照ください。

環境経営の高度化 [164 KB]