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No.62 : 中国企業のコーポレート・ガバナンス

研究員 金 堅敏

1999年11月

要旨

  1. 長年にわたった中国企業の貧弱な資本効率は中国が今日の経済困難をもたらすこととなった重要なファクターであると言える。比較優位に基づかない開発戦略の実施や企業経営に対する政治・行政からの介入が企業の過度なリスク選択を促し過剰投資をもたらした。また、企業改革に伴い経営自主権は拡大されたが、それに見合った経営監視の制度整備が遅れ企業経営規律づけの空白を生じさせることになった。
  2. このような中国企業の現状に対して当局は赤字企業に対する財務支援や行政命令による過剰設備等の生産能力の解消等の対策を取っている。しかし、競争抑制的な行政主導の産業再編政策は中国企業の赤字体質の抜本的な改善をもたらすことはできず、企業改革のモデルとして株式会社に改組され上場した企業さえ赤字体質を有しているのが現状である。
  3. 形式的に中国の株式会社制度は先進国の企業組織体制を取っている。しかし、実質的には政府が過半数を持つという株式発行規制や国有株と法人株を流通させないという株式流通規制によって政府は株式会社の意思決定をコントロールしている。政府は支配的な株式所有をてこに、企業に産業政策の実施や資本効率性を要求するだけでなく、行政手法による経営陣の任命も行っている。つまり、中国企業の大多数の株式は市場性がなく、経営陣は責任不在の状態と言える。このような組織構造が中国企業の赤字体質が改善されない理由でもある。
  4. 中国企業の赤字体質を抜本的に改善させるためには市場原理に基づくコーポレート・ガバナンスを構築することが必要である。特に、ガバナンスメカニズムにより政治・行政からの介入を遮断させ、分散した個人株主の権利行使の集中が必要であると考える。また、証券会社や証券投資基金等の市場機関投資家はもっとも期待される企業経営の外部監視候補機関である。商業契約に基づき国有株や個人株を受託ファンドに委託管理させることが、中国企業の経営体質改善の現実的な政策選択であると考える。
  5. 監査役会の独立性の確保、株主代表訴訟制度の整備、民営化促進のための会社制度整備は経営陣内部による汚職・馴合いに対するもう一つのチェック機能として期待できる。市場原理に基づく中国企業のコーポレート・ガバナンス制度は、企業経営に対する企業外部と企業内部の統治体制の確立によって完結される。

全文はPDFファイルをご参照ください。

中国企業のコーポレート・ガバナンス [99.5 KB]