GTM-MML4VXJ
Skip to main content

English

Japan

  1. ホーム >
  2. 調査・研究成果 >
  3. 実践知リーダー対談(4)若き実践知リーダーたちに望むこと

実践知リーダー対談 第4回

「若き実践知リーダーたちに望むこと
~現実を直視し、関係性をつくるとはどういうことか~」

このシリーズでは、実践知研究センターの初代センター長である野中郁次郎との対話の場を通じ、「実践知」について考えていきます。

第4回 対談相手:
田中陽樹 富士通総研 第一コンサルティング本部 流通・サービス事業部
鳥巣龍馬 富士通総研 第二コンサルティング本部 コーポレート基盤事業部
村田啓介 富士通総研 第二コンサルティング本部 BCM事業部

「顧客のために」ではなく「顧客の視点」から考える

「知識だけに限らず、何を身に付け、どのような方向性で
付加価値を創出していくべきかについて考えています。」

「知識だけに限らず、何を身に付け、どのような方向性で付加価値を創出していくべきかについて考えています。」

【田中】
我々は2011年に入社し、今年で2年目のいわゆる若手社員です。一通りの研修を終え、これからは専門性を身に付けていかなければならないと思っており、その中で、知識だけに限らず、何を身に付け、どのような方向性で付加価値を創出していくべきかについて考えています。世の中では、新規事業によって新しい価値創造を行ったり、お客様と一緒に価値を創出したりしていくモデルが一般的に言われていますが、そのエコシステム形成はいずれもあまりうまくいっていないように感じています。つまり、そこに市場があり、ビジネスの可能性があると思っていますが、このようなことを単に個人として追求するだけではなく、同時に、自分で考えたことをチームや組織全体に広めて行く能力を身に付けることも重要なのではないかと思っています。

【野中】
なるほど。つまり「個人の実践知をみんなの実践知に展開していきたい」ということですね。重要なことです。
リーダーシップの本質を具体的に挙げると6つあります。(1)善い目的を作る、(2)目的を共有する場をタイムリーに作る、(3)現実を直視する、(4)直視・直感したものを概念化する、(5)概念を実現する政治力をもつ、(6)これら全てを第三者にも広げてみんなの実践知にしていく、ということです。田中さんのお話は、リーダーとして、包括的な能力が必要になってくる(6)のことであると言えます。
みなさんは、これからコンサルタントとしての経験を積んでゆくにあたり、現実を直視して行くことが大事です。結局、我々が物事を判断する時に重要になってくるのは、現実の只中で次々と紡ぎ出される関係性なのです。現実に起こっている物事は今まさに目に見えるんだけど、実は、その背後の関係性までもが見えるとは限らないわけです。でも、見えないものも見ないと新しい価値を創造したり、ビジネスモデルをつくったり、イノベーションを起こしたりすることは出来ません。では、どうやったら見えるのか?唯一最善の解はありません。
セブン&アイ・ホールディングスのCEOである鈴木敏文さんは、「現場に行けば眼が曇る」と言っています。一方で、イトーヨーカ堂の創業者である伊藤雅俊さんは、「現場に行かなければ物事は見えない」と言っています。両方とも一理あるわけです。現場に行けば現場重視になってしまい、現実が見えなくなることもあります。問題は、そのバランスだと思います。

「現場と理論。問題は、そのバランスだと思います。」

「現場と理論。問題は、そのバランスだと思います。」

よく、机上の分析で満足するな、と言いますよね。だから、現場へ行け、と。机上だけよりは現場に行った方が現実に近い物事を把握できるわけですが、現場に行ってもまた分析しているわけですよ。自分と対象、自己と他者を分けて、傍観者として見る、つまり分析しているのです。
我々が現場に行った時、その対象が人であれモノであれ環境であれ、それらを対象化して分析します。主体と客体を分離しなければ、分析はできません。だけれども、現場を知りたいと思って現場に行っているのに、現場の第一線でも傍観者になってしまう。そうすると、相手の視点に立って行動することはできないわけです。傍観者になるだけでは、相手の意図が読めません。つまり、相手の心理は読めない。
大事なことは、現実の背後にある関係性にまで遡って、判断するということです。現場に行ってその対象を分析するのではなく、相手の視点に立って、相手になりきる。感情移入するのです。「顧客のために」ではなく「顧客の視点」から考えるのです。
このような相手の視点に立って共感することを、会社の中で軽視する人も少なくはありません。退屈で魅力が無い作業だ、と言う人もいるかもしれません。でも、仕事の中は、そのような一見味気ない作業が大部分を占めているものです。研究だってそうですよ。
でも、最終的なジャッジメントを下さなければならない時に、果たして相手の視点に立っていない人が、その背後にある人々の心理、意図、状況や文脈までを含んだ包括的な関係性を理解して、判断することができるでしょうか?ニーズやウォンツなど顧客自身も見えていないこともあります。実際に現場に行って、まず、相手を対象化して分析するだけではなく、次に、相手に感情移入しながら、相手の視点から物事を見る。この両方のバランスが大切です。
現場に行って分析することは、自分を客観視することでもあります。これはデタッチメント(detachment)です。相手の視点に立って、共振・共鳴・共創する、必ずしも言葉を媒介しなくともよいと思いますが、これはアタッチメント(attachment)です。このアタッチメントとデタッチメントのバランスが大切です。「お客様の身になって」というのも正しい。相手の調子に合わせ過ぎて現場に迎合し過ぎてしまうと「眼が曇る」というのも正しい。主観と客観のバランスをとることが大事です。
では、どうやってバランスを保つのでしょうか?そのためには、我々が現場に行ったときに、きちっとした目的意識を持たなければなりません。「何をやりたいのか」。これは、自分の目的にコミットするということです。目的を持って、その中で現場のプロセスに入り込んで、他者と共振・共感・共創する。そうすることによって他者の意図あるいはその事象の背後にある関係性や文脈を読むことに繋がっていくのだと思います。

目的をつくる「思い」や「主観」を大切に

「目的によって、恐らく見えてくる関係性や文脈が
異なってくるものだと思います。」

「目的によって、恐らく見えてくる関係性や文脈が異なってくるものだと思います。」

【鳥巣】
目的とは、どのように設定されるものですか?目的によって、恐らく見えてくる関係性や文脈が異なってくるものだと思います。さらに、目的によって、お客様との関係性や、お客様に提供する価値も違ったものになるのではないでしょうか。

【野中】
そこは非常に重要な点です。みなさんにも、沢山の色々な「やりたいこと」ってありますよね?目的を理解する時に、まず「自分がやりたいこと」を明確にしましょう。自分の思いや主観がないと、人はコミットできません。でも、ただ、コミットしているだけでも目的は見えてきません。関係性や文脈(コンテクスト)が必要になるでしょうね。意味は関係性の中から出てきます。
顧客とみなさんとの関係性は、常に変化しています。刻々と変化しています。非連続な変化です。分析して相手を対象化するだけではなく、目的意識を持って、その時その時のコンテクストを読むことが重要なのですが、ただし、何を見ても「モノ」と捉えている限りは、文脈は見えません。
物事(モノゴト)と言いますね?物(モノ)は、静的なものです。名詞です。対象化して分析しやすい単位としてプロセスから切り取られた品物です。でも、その品物を開発した会社、関わった人、どういう思いがあってどう実現したのか、そこにどのようなストーリーがあるのかと考えること、これが事(コト)で見るということです。コトとは、思考や意識の結果としての行為、まさに動詞なのです。
コンサルタントが関係性を読むときには、コトで見たほうが良いでしょうね。このモノは、何のためにあるのか、という見方です。モノは多くの場合は手段(how)です。コトというのは目的(what)です。何をしたいのか、を追求しなければならないのです。
関係性を読んで経験価値を生み出すためのものづくりとは何か、ということを考えてみて下さい。ipodはいつでもどこでも自己編集した音楽が聴ける経験価値を提供するためのモノづくりだったのです。それは机上の分析だけからは生まれません。現場を歩くことです。現場を歩いて関係性を読む。論理で関係性を読む。この2つをやらなければならないんです。モノ自体の分析をするのは簡単なことです。定量化もできます。しかし、コトの持つ意味は、関係性の中に存在しているものなので、定量化が難しい。できるとすれば、物語を読むように語るとか、メタファなどで表現するしかない。それはあくまでも意味的な価値です。どういう物語をつくりたいか、どこで落としどころを作りたいか、というダイナミックがあるのか、ということを全体的に表現しなければならないので、難しいことですね。

【鳥巣】
自分の思いや主観に基づいて目的を定めることが重要なのだと理解しました。環境や関係性は常に変化するかもしれませんが、ぶれない思いを維持してゆくことが大切なのだと思います。

【野中】
仕事をしていると、心が折れそうになることもあるだろうから、なかなか自分の目的を明確化することは簡単じゃないよなあ。でも、一つ言えることは、何でもいいから一所懸命にやっていくことです(笑)。自分自身を磨くために無限の努力をすること。一所懸命やっていると、自ずと関係性が見えて来るもんですよ。
職人や、伝統を受け継いでいく人たちが、よく「守・破・離」と言いますよね?守:親方が行ったことを、時に盗みながらも体得して、破:自分なりにそれを越えていく。離:最後には離れて行って、自分の創り出した全くの新しい境地に達する。このような職人の態度は、コンサルタントにも共通しているかもしれませんね。日々、目の前の現実を直視しながら、たえず解決していこう、ベターな方向にしていこう、と努力していく中で色々な関係性が見えてくることが多いのではないでしょうか。何かを一所懸命に追求していくと、必ずや色々な人に、偶然出会っていきます。出会った人たちと一緒に語って、そうすると、共通の思いなんかも出てきます。場が開けてきます。そういう連続が非連続に繋がっているのだと思います。

失敗の経験を恐れるな。教養を身に付けて挑戦を

「関係性を注意深く見る能力や、物事を洞察する力を養ったりするためには、
直視している現実から何かを得たいという意識を持って仕事をしていくことが
重要になると思 います。」

「関係性を注意深く見る能力や、物事を洞察する力を養ったりするためには、直視している現実から何かを得たいという意識を持って仕事をしていくことが重要になると思います。」

【村田】
関係性を注意深く見る能力や、物事を洞察する力を養ったりするためには、直視している現実から何かを得たいという意識を持って仕事をしていくことが重要になると思います。常にそのような意識を持っているかどうかで、結果として経験から得るものは異なってくるのではないでしょうか?

【野中】
その通りです。意識するにあたって大切なことを2つ挙げましょう。一つは、高質な経験、とりわけ失敗の経験が貴重なのだということです。現実は、白か黒かと言う二元論ではなく、もっと複雑です。しかし、複雑なのだけれども、その中のどこかにジャストライトのポイントがあります。失敗の経験から、そのような複雑な現実のこういう文脈からこういうジャッジメントを下すことができる、というポイントがわかるようになってきます。でも、失敗ばっかりしてると、気持ちは明るくならないけどね(笑)。やっぱり、時々は成功しないと、次への元気は出てこないよな(笑)。
では、高質の経験はどうやって得るのでしょう?まず、上司が意図的にこのような高質の場を与えるということがあるでしょうね。富士通の中でも、優れた上司、優れた実践知リーダーは、部下や仲間に対して、高質の経験となる場を意識的に作っていく能力を持っています。そういう実践知リーダーは、富士通には沢山いると思っているんですよ。
でも、上司に与えられなくても、自分のやりたいことってのがあるよね。これを追求しながら、自らが高質の経験を獲得しに行ったり、周りに対してそのような場を提供することもやっぱり重要だと思います。まあ、運だよな、良い上司に出会うのも、悪い上司に出会うのも(笑)。でも、悪い上司と仕事をしなくちゃいけなくて、「つまらねえなあ」と思っても、本当にコミットして一所懸命やっているうちに、必ずね、本当に、関係性がどんどん増えてくる日が来るから。動きながら一所懸命にやっていると、何かしら引っかかってくるものです。それを人は「偶然だ」と言うかもしれないけど、やっぱり偶然を取り込むのも、我々の行動と主体的意識です。ただ、身体性を伴わないといけません。
もちろん、無暗にやって何も引っかからない場合もあります。まさに、目的意識を持っていない場合がそうです。目的意識を持っていないと、関係性は読めません。悩みがあるからこそ、本を読んだら心にひっかかるのです。目的があるから、追求しているうちに知恵が増えたりするのです。だから、目的を持ってとにかく動くことが大事です。その場その場を一所懸命、ベターを追求するための努力の積み重ねが重要なのだと思います。「こんなことやらされて、やってられねえなあ」と挫けそうになっても、それでもやっぱり一所懸命やっていると、一皮むけるってことが、結果的にはずいぶんありますよ。

「こんなことやらされて、やってられねえなあ」と挫けそうになっても、それでも やっぱり一所懸命やっていると、一皮むけるってことが、結果的にはずいぶんありますよ。」

  「こんなことやらされて、やってられねえなあ」と挫けそうになっても、それでもやっぱり一所懸命やっていると、一皮むけるってことが、結果的にはずいぶんありますよ。」

 もう一つは、教養、リベラルアーツが重要になります。関係性を読むにあたって、これはとても大切です。世の中には、いわゆるハウツー本が多いですが、あれをいくら読んでも関係性を深く読めるようにはなりません。何でやるのか、という本質を追求する助けになるのが教養です。物事の根本に遡って、その存在や、何が真で何が善かということを考えさせられる学問です。何のために、と問うことは非常に青臭い議論です。でも、そのような議論はベターを求めて行く上では不可欠だし、これを助けるのが豊かな教養です。
富士通の5代目社長である岡田完二郎さんや、有名なエンジニアだった池田敏雄さんは、趣味なども含めて大変な教養人でした。文学や哲学書なども沢山読んでいる。だから挑戦できるんです。文学や哲学に加えて、私は、若いみなさんには、歴史を勉強するように勧めたいですね。なぜでしょう?今は過去の延長、将来は現在の止揚。歴史に関心を持って学ぶことで、ずいぶん高質な体験に通じると思います。
実践知研究センターでは、コンテクストや、物事の背後にある関係性をどれほど広く深く読むかが判断力の質を高めるということで、訓練生たちに哲学の議論もしています。判断力こそ、リーダーの究極の価値ではないでしょうか。

「負けてたまるか」

【田中】
野中理事長が社会人としてスタートを切られた当時のお話をお聞かせいただけませんか?

【野中】
私は、昭和33年に富士電機に入社しました。当時はみんな工場に配属になって、私自身も、ハンマーなんかも触ってましたよ。でも、その後は、人事、労務、教育、営業企画、関係会社管理を経験し、労働組合の執行委員なんかもやっていました。組合の選挙なんかでは、必ず当選していたから、仲間もたくさんいましたよ。本当に色々なことをやったので、経験の質量は大きいと思います。当時の上司が「人とマーケットと金を経験しないと一人前にならない」という考えの人でね、色々なことを経験する中で、仕事の内容もそうですけど、人間の多面的な面も見ました。胆力もつきましたね(笑)。
当時は、アメリカから、経営学の理論がとうとうと日本に入ってきていました。ことごとく、あらゆる理論がアメリカから出て来ていて、論文を読む度に、またこの理論もアメリカから入ってきているのかと思ったら、本当に悔しかったなあ。小学校4年の時に終戦だったんだけど、疎開先で米海軍グラマン戦闘機の機銃掃射を受け、九死に一生を得た経験があります。その時の記憶が影響しているのかもしれないけど、「負けてたまるか」と思ってね。それで、富士電機で9年間ほど働いた後、アメリカに留学しました。お金も無かったから、移民船でアメリカに渡りました。
留学した先は、カリフォルニア大学バークレー校。ここでは徹底的にロジックを勉強しました。ハーバード大学と違って、バークレーは、ケーススタディなんかはやらないんですよ。ロジック、セオリー、コンセプト、そういうことばっかり議論していました。経営学が第1専攻だけど、第2専攻で社会学を学び、本を沢山読みましたね。
社会人時代は、現場でやってきたので、大学院に入ってからは理論を勉強することができ、バランスがとれていたのかもしれませんね。でも、これはやっているうちにわかってきたことです。常にベターを追求しながらやっていこう、やっていくと運はついてくる、って思います。

【村田】
当時、富士通はどのように見えていましたか?

【野中】
僕らが富士電機で働いていたころ、富士通は今で言うベンチャー企業でね。いやあ、そりゃあ勢いがありましたねえ。成長力もあって、羽振りも良くてね。社員一人ひとりが、底知れぬ「挑む力」を持っていました。でも、そのスピリットが今でもまだ続いているんだと思っていますよ。是非、みなさんにも色々なことに挑戦して、仕事をやっていただければなあって思っています。一所懸命に実績を作っていけば、壁は必ず突破できます。だから、やり続けて行くことが大事です。

「富士通は今で言うベンチャー企業でね。いやあ、そりゃあ勢いがありましたねえ。成 長力もあって、羽振りも良くてね。」

  「富士通は今で言うベンチャー企業でね。いやあ、そりゃあ勢いがありましたねえ。成長力もあって、羽振りも良くてね。」

【鳥巣】
野中理事長のお話を伺い、エクセレンスのために目的意識をもって追求していくことが大切なのだという点に特に共鳴しました。私自身としては「Enjoy Participation !」と言いますか、「楽しむ力」、楽しみながら場に参加してゆくことも大事だと感じました。それらを念頭に置きながら、お客様、またはその先にある様々な関係者の方々のコンテクストをとらえられるように努力していきたいと思います。

【野中】
なるほど。「楽しむ」ということ、これは教養を豊かにしていきますよね。富士通には、「楽しめる人」も多いと思いますよ。是非一緒に頑張って行こうじゃないか。

【田中】
私自身、大学で心理学を専攻したので、今日のお話の中では、相手の中に入って共感しながらコンテクストを読むという点に興味を持ちました。読んだコンテクストは、リベラルアーツなどの教養を土台としながら分析していって理論を作っていく。そしてまた現場に戻る。このようなスパイラルアップの連続なのだと思います。このような経験を通じて、自分の実践知をどんどん豊かにしていくことが大事だと思っています。
ただ、経験を積み上げる中で、知らず知らずのうちに、数少ない成功体験にしがみついてしまいがちになって、実践知をブラッシュアップ出来なくなることもあるかと思います。私自身、そういう甘えのようなものが出やすいタイプだと思うので、そうならないために、今日のお話を反芻して日々取り組んでいきたいと感じました。

【野中】
うんうん、難しいところだよなあ。でも、失敗は成功のもとだから。そこから学ぶことは大きいですからね。所与のものだけを分析すると、論理的には、ベストの解が出てくる。でも、現実は、もっと複雑で、文脈ごとに細部があるので、ベストの解なんてありえなくて、ベターを追求していくんですよね。常に今よりも良い解を求めて、無限に動いていくということなんではないでしょうかね、実践知リーダーとは。

【村田】
目的を決めてそれに向けてやっていくことは大切だと思います。私自身、今までは、目的が決まればそれに向けて自ずとやることが決まっていくと思っていたので、どちらかというと目的探しに注力しているということがありました。でも、今日のお話を伺い、考えているだけでなく、職人気質を持って目の前のことを一所懸命にやっていくことも大事だと感じました。

【野中】
やりながら考え、その中から目的が創発されていくのではないでしょうかね。ただ、やりたい方向性というか、目的のベクトルは持っていたほうが良いでしょうね。やりたいことに近いほうが問題意識を持ちやすいですから。好きだ、楽しい、そういうものが無いと、人間やっぱり辛いもんね。

  集合写真

関連オピニオン

「持続可能な革新共同体を創る」

「知の構造改革の担い手としての実践知リーダー」


野中 郁次郎

野中 郁次郎(のなか いくじろう)
(株)富士通総研 経済研究所 理事長、実践知研究センター長
一橋大学名誉教授、クレアモント大学大学院ドラッカー・スクール名誉スカラー
【略歴】 早稲田大学政治経済学部卒業。カリフォルニア大学経営大学院(バークレー校)にて博士号(Ph.D)を取得。2008年5月のウォールストリートジャーナルでは、「最も影響力のあるビジネス思想家トップ20」に選ばれる。
【執筆活動】 『知識創造経営のプリンシプル』(共著)2012年 東洋経済新報社、『流れを経営する』(共著)2010年 東洋経済新報社、『イノベーションの知恵』(共著)2010年 日経BP社、その他多数


村田 啓介(むらた けいすけ) 富士通総研 第二コンサルティング本部 BCM事業部
田中 陽樹(たなか ようき) 富士通総研 第一コンサルティング本部 流通・サービス事業部
鳥巣 龍馬(とりす りょうま) 富士通総研 第二コンサルティング本部 コーポレート基盤事業部

  プロフィール

左から、村田啓介、田中陽樹、鳥巣龍馬。2011年富士通総研入社。