Skip to main content

English

Japan

2011・2012年度経済見通し(2011年8月改訂)

~急回復後は復興需要が下支え~

2011年8月15日
株式会社富士通総研
経済研究所

 

当社は、2011年4~6月期のGDP統計(1次速報)の発表を受け、経済見通しを改訂しました。世界経済は、欧米の債務不安の深刻化により、景気の回復ペースが鈍化し、低迷するリスクが高まっています。日本経済は、震災後の急激な生産、消費の落ち込みから回復した後は、公共投資、住宅投資などの復興需要が景気を下支えするため、世界経済減速の影響は免れ、緩やかな拡大を続けていくと見込まれます。

実質成長率: 2011年度 0.6%(前回0.5%)、2012年度 2.6%(前回2.8%)

【世界経済】

新興国の景気拡大スピードの鈍化と欧米の景気回復のもたつきによって世界経済が減速傾向にある中、欧米の債務不安が顕在化し、世界経済の先行き不透明感が増している。ユーロ圏は、足元では物価高と景気減速の兆しが並存しており、そうした中で債務不安が再燃したことで景気の回復力が殺がれ、低迷するリスクが高まっている。アメリカについては、雇用や住宅市場の低迷が続いて緩慢な回復にとどまっていることに加え、先行きについて緊縮財政が現実のものとなれば、これが景気を下押しする懸念がある。世界経済は来年前半にかけて、回復ペースがさらに鈍化していく可能性が高まっている。

【日本経済】

震災後の生産、消費を中心とする日本経済の急激な落ち込みは、すでに震災前の水準近くまで回復しており、景気は緩やかな回復軌道に戻っている。先行きについては、公共投資、住宅投資、設備投資などの伸びが、景気を下支えしていくことが予想される。世界経済が減速の傾向を強めていけば、輸出の伸びが鈍化していく要因となるが、復興需要が今年度後半から顕在化してくるため、景気が失速するリスクは小さいと考えられる。2011年度はわずかなプラス成長となり、2012年度は、復興需要の一巡と輸出の伸び鈍化によって年度後半はやや減速するものの、2%台半ばの成長に達すると見込まれる。

本文はPDFファイルをご参照ください。

2011・2012年度経済見通し(2011年8月改訂) [220 KB]

関連ページ

  PRESS RELEASEへ