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Japan

2009・2010年度経済見通し(2009年11月改訂)

~先行きも緩やかな回復が続く~

2009年11月16日
株式会社富士通総研
経済研究所

 

当社は、2009年7~9月期のGDP統計(1次速報)の発表を受け、経済見通しを改訂しました。世界経済は、金融危機の影響を脱し緩やかな回復過程にありますが、先行きについても新興国の需要回復などを背景に、回復を続けていくと予想されます。日本経済は、2010年度初め頃には、政策効果の反動により一時的にマイナス成長に陥る可能性がありますが、輸出の増勢持続、設備投資の反転、雇用の下げ止まりを背景に、緩やかな回復を続けていくことが見込まれます。

実質成長率: 2009年度 -2.4%(前回-2.9%)、2010年度 1.2%(前回1.2%)

【世界経済】

世界経済は、欧米の景気回復力は弱いものの、東アジア地域を初めとする新興国の回復力が強く、2010年には回復の勢いを増していく公算が高い。これまでの各国の金融緩和については、世界的な資金余剰状態が、商品相場の上昇を招き、これが資源国の購買力を高め、世界経済をさらに成長させるという、リーマンショック以前の世界経済の状態に戻る兆しをもたらしつつある。先行きの懸念材料としては、大幅な金融緩和に伴い、一部新興国でバブル発生の懸念が見られることと、巨額の財政出動が世界的な長期金利の上昇を招く可能性の二つがあるが、今のところこれらが深刻な問題に発展する可能性は低い。

【日本経済】

日本経済は、輸出の増加、それに伴う生産の回復、公共投資や消費刺激策などの政策効果によりプラス成長が持続しているが、先行きについても緩やかな回復を続けていく可能性が高い。2010年度初めには、これまでの政策効果の反動減が生じることにより、一時的にマイナス成長に陥る可能性があるが、新興国の景気回復の本格化に伴う輸出の増勢持続、設備投資の反転、雇用の下げ止まりにより、景気回復にも徐々に広がりと自律性が出てくると考えられる。2010年度には子ども手当ての支給など民主党の政策が段階的に実施されていくことも、景気を下支えしていく要因になると考えられる。

本文はPDFファイルをご参照ください。

2009・2010年度経済見通し(2009年11月改訂) [326 KB]