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Japan

鳩山政権の経済政策の効果

~GDPへの影響は限定的~

2009年9月15日
株式会社富士通総研
経済研究所

 

当社は、鳩山政権の経済政策がGDPにどのような影響を与えるか試算しました。政策がマニフェストの計画どおりに実行された場合、実質GDP成長率への影響は、2010年度はプラス、2011~12年度はマイナス、2013年度はプラスになるとの結果が得られました。最初に家計の所得増加の効果が表れるためプラスが先行しますが、政府支出削減の効果が大きくなるにつれマイナスとなり、最後はマニフェスト実行の完了に伴いプラス効果の方が大きくなるためです。ただし、その影響は限定的で、民主党の政策がマクロ経済を大きく撹乱するとまではいえないと考えられます。

【 試算の方法 】

民主党の政策実行、財源捻出の詳細なスケジュールを想定した上、(1)政策(歳出)を、家計の所得を増加させる政策、企業の所得を増加させる政策、政府支出(政府消費)を増加させる政策に分類、(2)財源(歳入)を、家計の所得を減少させる政策、企業の所得を減少させる政策、政府支出(政府消費、公共投資)を減少させる政策に分類、(3)各分類でネットの増減額を算出し、それぞれの経済効果を、乗数効果を加味して計算、というステップで算出した。

【 試算結果 】

民主党の経済政策の実質GDP成長率への影響は、2010年度は子ども手当の創設、暫定税率の廃止、高速道路料金の無料化などの効果が先行するためプラスとなるものの、2011~12年度は、政府支出削減のマイナス効果が上回るためマイナスとなり、2013年度には、マニフェスト実行の完了に伴い、再びプラスに転ずるとの結果が得られた。ただし、プラス幅、マイナス幅とも限定的であり、民主党の政策がマクロ経済を大きく撹乱するとまではいえない。なお、2009年度補正予算の減額は、2009年度の実質GDP成長率にマイナスの影響を与えることとなる。

実質GDP成長率への影響

(単位:%ポイント)

2009年度 2010 2011 2012 2013
2009年度補正予算減額の効果 -0.31 0.02 0.06 - -
民主党の政策実施の効果 0.48 -0.17 -0.02 0.15
合計 -0.31 0.50 -0.11 -0.02 0.15

本文はPDFファイルをご参照ください。

鳩山政権の経済政策の効果 [248 KB]