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2008・2009年度経済見通し(2008年11月改訂)

~景気後退はより一層の深まりへ~

2008年11月17日
株式会社富士通総研
経済研究所

 

当社は、7~9月期のGDP統計(1次速報)の発表を受け、経済見通しを改訂しました。世界経済は同時不況に陥り、この先の新たな成長と国際協調の枠組みの形成に向けた過渡期に入っており、その調整は長引くと考えられます。日本経済は減産が本格化する一方、企業、消費者ともマインドが大幅に悪化し、輸出もさらに減速と、牽引役を失った状態にあり、08、09年度とも弱い動きが続いていくと見込まれます。

実質成長率: 2008年度-0.4%(前回予測0.7%)、2009年度0.3%(前回予測1.5%)

【世界経済】

アメリカ発の金融危機により、世界のマネーと実体経済は急速に縮小し、世界経済は同時不況の状態に陥っている。アメリカの金融危機は、まだ危機の最初の段階であり、この先、不良債権の損切りと十分な公的資本の注入が行われない限り、危機を収束させることは困難と考えられる。危機が深刻化する過程で、EUなどで地域的に結束する動きが活発化しつつあるが、これは、危機がこれまでの国際協調の枠組みを変えつつあることを意味する。危機克服後の世界は、経済成長および国際協調の両面でアメリカの存在感が低下する新たなステージに入ると考えられるが、現在はその過渡期にあり、調整は長引く可能性が高い。

【日本経済】

日本経済にも世界的な金融市場混乱の影響が波及し、自動車をはじめとして減産が本格化し、雇用調整が目立つようになっている。企業、消費者の大幅なマインド悪化によって、設備投資、個人消費とも下振れする公算が高まっている。これまで景気を最後まで支えていたアジア向け輸出の失速も避けられない状況となっており、牽引役を失った日本経済は、08年度は名目、実質ともマイナス成長に陥る可能性が高まっている。実質成長率は、08年度は若干のマイナス、09年度もゼロ近傍と、2年連続でゼロ成長に近い状態で推移すると見込まれる。こうした中、消費者物価上昇率も来年度にかけてゼロ近傍に低下していくと予想される。

本文はPDFファイルをご参照ください。

2008・2009年度経済見通し(2008年11月改訂) [325 KB]