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「公民協働による災害福祉広域支援ネットワーク構築の調査研究事業」(セーフティネット支援対策事業費補助金 社会福祉推進事業)の実施について

富士通総研では、厚生労働省「平成26年度セーフティネット支援対策など事業費補助金・社会福祉推進事業」として、「災害福祉広域支援ネットワークの構築に向けての調査研究事業」を実施いたしました。

お問い合わせ先

担当:第一コンサルティング本部 公共事業部 名取直美、鬼澤翔太

電話:03-5401-8396(直通) Fax:03-5401-8439

背景と目的

東日本大震災で大きくクローズアップされた二次被害の問題は、災害対策基本法の改正等によって、発生防止のためにはどのようなことに重点的に取り組むべきかの方向性が示され、その中には災害時においても福祉を確保していくことの必要があることがわかります。しかし、このことについては東日本大震災以前にも指摘されてきたことでもあり、体制づくりを進めていくためには、それがなぜ進まなかったのか、機能しなかったのかということを考える必要があります。

災害時にも福祉の機能を確保していくためには、災害時に要援護対象となると考えられる人々に常日頃から関わる福祉事業所・福祉専門職の力が必要です。しかし、災害時には福祉事業所も同様に被災していることが考えられ、その事業継続を図ることが重要となります。このことは、助けてもらう「地域の人々」と助ける「福祉事業者の関係」の一方通行の関係に見えますが、実際には地域で災害福祉が適切に機能すれば福祉事業所での混乱は軽減され、福祉事業所が機能することによって地域の人々の安全・安心は保たれます。体制の構築は自治体が主となって進めていくことが必要ですが、もちろん福祉事業所や福祉専門職、そして地域の存在も不可欠です。そして、この体制があれば、取り組まねばならない問題への集中と復興に向けての取り組みに自治体も注力できることとなります。要するに、災害福祉の体制は、公民協働でなければ成立しないものだと考えます。

以上の認識のもと、本事業では、改めてなぜ今災害福祉の体制が求められるのか、そしてそれを公民協働で行わねばならないかを明らかにするとともに、現在構築に取り組む自治体による情報交換会を実施することで、今後の災害福祉広域支援ネットワークの構築の推進に向けての検討を行いました。

事業概要

【災害福祉に取り組む際の導入資料 ~なぜ災害福祉なのか】

災害時の福祉支援体制の構築には、都道府県・市区町村等の自治体、福祉事業者、住民の公民による取り組みが必要となります。しかし、その最初のステップとなるのは、自治体の福祉部門および防災部門、自治体と福祉の職能団体・事業者団体、そして自治体および福祉事業者と住民の間において、災害福祉に関する共通認識を醸成することです。実施した都道府県へのアンケート・ヒアリング等においても、災害時の福祉の必要性はそれぞれに認識されているものの、描いている支援体制の形が立場によって異なる状況があり、共通とはなっていないことにも課題があることが考えられました。

他者と協働して体制を構築するには、共通する理念・絵が必要となります。よって、その参考となるための資料(案)を作成し、災害福祉の必要性とその全体像・求められる内容を明確にしました。

【今後進むべき方向】

今回の一連の調査・研究により、現在の全国での災害時の福祉支援体制の構築状況、進めるための課題等が明らかとなりました。現在、都道府県の半数強が災害時の福祉支援体制に取り組んでいますが、多くの都道府県から意見が寄せられたように、構築を進めていこうとする上で生じる課題としては、災害救助法をはじめとする制度の整備と位置づけの明確化、国の関与に対する期待、体制整備を進める上での共通化等、取り組む上で感じている不具合があり、その解消は、支援体制を構築する上で必須と考えられます。本調査研究では、その災害福祉についての基本的な理解や合意を得る際に資するものを目指し、さらに、都道府県等団体へのヒアリング、当該団体等が主催する検討委員会のオブザーバー参加・セミナー等の講師として出席して情報提供を行い、その周知も図ったことで、その体制構築の一助となるのではないかと考えています。

一方、災害福祉広域支援ネットワークが構築され、都道府県間での支援が行われることを考えると、広域間での支援が想定される大規模災害時にも、ストレスなく支援が行われるためには、実施する内容や工程・手順の共通化が求められます。そして、ネットワークに参加する都道府県および団体等が、協働して検討や協議を行うためのプラットフォームと調整機関も必要です。現時点ですでに都道府県の半分強が取り組んでおり、今後もその検討が進んでいくことを考えると、各自別々で進んでしまった場合のアクセス不良・検討のロスを避けるべく、それら課題の解決に速やかに取り組む必要があると考えます。以上については、災害救助法をはじめとする制度の整備と位置づけの明確化やプラットフォームとなる中央組織の設置等、国の関与も重要と考えられます。しかし、災害はいつ起きても不思議ではなく、取り組んでいない都道府県は速やかに取り組む必要があると考えます。さらに、取り組んでいる場合には、体制を担う本部組織の体制構築と災害時の訓練、チーム員の登録と訓練、市区町村や住民への周知等も並行して進めねばならず、実施事項の整理や研修のためのメニュー開発も急がなければなりません。そのため、今後はその具体的な内容を調査・研究し、その開発を進めていくことが必要となります

報告書の公表

本事業における成果は、今後の災害時の要援護者支援体制の構築にあたっての資料として活用されることを願い、報告書としてまとめましたので公表いたします。

アンケート調査・ヒアリング調査等に御協力下さった都道府県をはじめ、本事業に御支援・御協力下さった皆様に深く感謝するとともに、本報告書を、今後広くご活用いただけますと幸いに存じます。