GTM-MML4VXJ
Skip to main content

English

Japan

  1. ホーム >
  2. デジタル&ネットワーク・マーケティングセミナー

デジタル&ネットワーク・マーケティングセミナー


デジタル&ネットワーク・マーケティングセミナー


インターネットリサーチ 問題意識&オリエンテーション
稲垣 佳伸 氏 (株)ドゥ・ハウス代表取締役社長

インターネットリサーチ

たまたま、先程の裏での打ち合わせの時に、後ほどご登場いただきます日産自動車の池澤さんがとても面白いことを言っていまして、「きょうのテーマは、たしかインターネットリサーチだよね」「でも、リサーチってどうも変でね」と。「一所懸命聞いていると、それがプロモーションになったり、場合には販売につながったり、そういう話が山ほどあってね」「だから、インターネットリサーチという切り口そのものが、それなりに問題があるのではないか」という話をしてまして、僕も、「まさしくそうだな」と。リサーチというのは基本的にマーケティングコミュニケーション、しゃべる、聞くというコミュニケーションですから、リサーチは聞くという作業になりますよね。その作業をやっているうちに目的が段々、いい意味で変わってきて、それが相手を説得するといいますか情報を伝えるというか、そんなようなことになってしまうことを何回も体験していると、いうお話でございます。このあたりは、きっと今日の最後のあたりで、またパネラーの方々にいろいろ詰めていただきたいテーマかなと思っています。

「創造のよろこび」と「発信のよろこび」

今、マルチメディアという言葉がたくさんございますが、私のほうは、マルチメディアという言葉そのものは、さほど本質的な話ではないと。一番本質的な話は、むしろデジタルであるということとネットワークであると、この2つではないかなというふうに思っております。
デジタルであるということは、「創造のよろこび」というふうに私は説明しています。どういうことかというと、いろいろなスペシャリストたちが作ってくれた、例えば音楽の曲のライブラリーがインターネット上にあります。それをダウンロードして風呂にでも入って鼻歌を歌う。その歌をそのベースにポンと乗っけて編曲してあげれば、ひょっとしたら私の作ったその曲がいきなり翌日ミリオンセラーになる可能性すら持っているという。そういうデータの再編集性というか、そんなことがいきなり我々の目の前に開放されてしまった。これが一番大きなことではないかなと。

「発信のよろこび」は、秋葉原に走って20万円程度の投資を惜しまなければ、自宅の六畳間から簡単にビル・ゲイツにメールは打てるし、ミスター・クリントンにもメールは打てるのですね。絶対に読んではいないだろうとは思っていますが、一応概念上、世界の数千万人にメールを打てる可能性を持っている。
実は、この2つのよろこびというのは、これまでの社会の中では時代時代のパワーを持った人々の独占物だったのですね。これが突然秋葉原で20万円を払えば一市民のものに開放されてしまった。これがたぶん、今、我々の目の前に登場しているイノベーションの最も本質的な話ではないかなと思っています。

「情報いちば」市場

商品経済と情報経済。ちょっとやわらかく言うと、「商品いちば」と「情報いちば」と。アドバタイジングの日本の市場スケールが、約 5.8兆円ございます。2、3年前は、たしか5兆円のはずだったのですけれども、まだ増えているはずですね。マスメディアの時代は終わったなんていうのは、まったくのウソでございまして、マスメディアは相変わらず元気いっぱい成長中というのが実態ではないかなと思っています。
増え続けるマスがあって、あえて言うとリサーチというマーケティングリサーチ市場、これが今 2,000億円ぐらいございます。簡単に言うと、58対2です。こういうバランスで、企業を主語にしますと、「しゃべる、聞く、しゃべる、聞く」というループが58対2なのですね。このバランスは、普通のコミュニケーションでいったらおかしいよねと、そういう問題提起でございます。
願わくば、このバランスがもう少し変わって欲しいなと思っていまして、この 5.8兆円市場のうち1%でも 500億円市場です。そこら辺が「情報いちば」のほうへ流れ込んできて、「情報いちば」そのものはこういううねりの中にある「いちば」ですから、やはりここに数百億や1,000億という新しいコミュニケーション市場、そんなものが誕生してもおかしくないんじゃないかなというふうに思っております。

500:2

ドゥ・ハウスはDoさんというアナログネットワークを約500名抱えております。その組織を維持するためのコストが年間約2億円ぐらいお金がかかるんですね。彼女らを維持して、諸教育をして、マーケターの要求に耐えられるだけの情報をきちんと吸い上げて、そういう一連の機能を維持するのには2億円がかかるんです。
iMiネット、ちょうど先月、10万人を超えたのですが、これは私の推定ですけれども、おそらくiMiネットも年間2億円ぐらいは、放っておけばお金がかかるんだろうなというふうに読んでおります。
ということは、単純に比較できないのは分かっていますが、不思議なもので、デジタル・ネットワークを使うと、早い話が、数百分の1のコストでネットワークが構築できるということですね。これがたぶん一番画期的なことではないかなというふうに思っています。
これを、従来やろうとしたら大変なことになりまして、自社専用のモニター組織を作るなんていう話はよくあります。作ってみたらモニターの組織管理維持の仕事でほとんど終わってしまって、肝心のマーケティングワークができないなんていうことがたくさんあったのですけれども、インターネットを使えば簡単にそういう組織も構成できて、すぐ自分自身がユーザーになるとか、そういったことができるんじゃないのかなと思っております。

「デジタル」というよりむしろ「ネットワーク」だ

インターネットリサーチ、その本質は、デジタル云々ということよりも、むしろネットワークにあるというふうに私のほうは考えております。インターネット系のリサーチをいろいろやっていますと、幾つかの現実的な悩みに当たります。

後ほど、私の後の萩原さんが一例をお話ししてくれると思いますが、従来型の調査をしている方が、データの精度は大丈夫か、代表性は、信頼性はと。そんな質問をよく受けます。
具体的には、「インターネットでメールをやっている人なんていうのは、変わった人じゃないの」なんていう方々ですけれどね。最近でこそ減りましたけれど、つい1年前は、どこに行っても、「そんな変わった人々、代表性もないし、話を聞いたってリサーチにならないよ」という話はよくありました。
私、そういう時に言うせりふがありまして、「確かにメールをやっている人は、あまりにも進みすぎているという話はあるとは思います。でも、毎週毎週釣りをやっているおやじのほうがよっぽど偏っているんじゃないですか」とか、そんな言い方をよくジョークでやっていますけれども、今日では別に、Eメールをやっているからゆがんでいるとか、そんなような話は、iMiネットの調査なんかをやってもほとんど問題なくて、むしろ、普通の言葉でいうと、元気な人々といいますか、新しいことに関心のあるアクティブな生活者だと、そんなふうな定義でいいんのではないかなと思っております。

リサーチにもいろんな目的がございます。ウォッチング系とディシジョン系ですね。ディシジョン系のほうには、当然使いにくいですよと。お気をつけくださいと。ウォッチング系ですね。チャンスを探すとか、変化の流れを読み取るとか、そんなようなラインでは大変有効な仕組みなのかなと思っております。
もうひとつの障害が従来型の評価基準というのがありますね。「早い、安い、うまい」という吉野家の牛丼のような評価軸ですけれども、「それは、早いのかね」「安いのかね」という話によくはまります。我々の経験の中では、インターネットリサーチは決して早くありません。我々自身、調査屋の側面を持っていますのでね。

この後の方々に議論してもらいたいことは、デジタルじゃなきゃできない技というのがあるはずなのですね。そこのあたりを、ぜひ焦点を当てて議論していただきたいなというふうに願っております。どうしても新しいテクノロジーや新しい仕組みが出てきますと、先ほどありましたように従来型の枠で理解してしまおうという話がでてきます。でも、そこで議論をしていても状況は前に進まない。ですから、アナログが古い手法で、デジタルが新しい手法、なんていうことは全然思っていなくて、どちらも大変有効な大切な方法だと思っています。

デジタルでなければできないワザ

先ほど言いましたが、ネットワーキング・コストが異常に安くなっていますので、一人ひとりのマーケターが自分の目的に合わせたネットワークを2つも3つも抱えている。こんなことは簡単にできるわけですね。しかも大変安い費用でできます。
2番目、常時インタラクティビティですね。ワイヤードな関係で常につながっている。メールですから、指先一本、パタパタッと打って、リターンキーをポンと押す力があれば、いつでもつながって、いつでも応えてくれる、そういう環境があるのではないかなと思っております。

最後、直接対話ですね。先ほども裏方で、情報の中間流通業者=調査屋なんて言って、調査屋はもう要らないとか、訳の分からない話を裏でやっておりましたが、情報流通に関して、やはり中間流通業者はなるべくいないほうがいいというふうに思っております。商品流通は海を越えたり山を越えたりしますので、物流屋さんとか問屋さんとか、具体的なファンクションがどうしても必要ですが、情報流通は、できたら生活者のリアルなファクトがダイレクトにマーケターの仮説を埋めるという、その構図を作るのが一番じゃないかなと思っています。そのための様々な工夫が必要なのかなというふうには思っております。


次回のセミナーのスケジュールやサイバービジネスの最新動向は、「サイバービジネスの法則集お知らせメール(登録無料)」でお届けしています。講演や受託調査も行っていますのでお問い合わせください。