~ブロードバンド、チャネル優位性、ネットリテラシーが成長の追い風に~
著者:富士通総研
価格:28,000円(税込29,400円)
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・新社会システム総合研究所
ダイジェスト版:
「インターネットショッピング2004(ダイジェスト)」 [173 KB]
パソコンからのインターネット利用によるネットショッピング(消費者向け電子商取引)市場は、インターネット人口がさほど伸びない状況にもかかわらず、依然として高い成長力を維持している。その理由はどこにあるのだろうか。また、成長は今後も続くのだろうか。この調査は、ここ数年のネットショッピング市場の成長要因と、今後の市場の成長を予想する手がかりを探すことを主な目的として実施した。調査にあたっては、成長要因として「ブロードバンド」、「他のチャネルと比べたインターネットの優位性」、利用者の「ネット歴とネットリテラシー(インターネットの使いこなし能力)」を事前の仮説として用意し、これら3点のネットショッピングとの関わりを検証した。合わせて、利用者の最近のネットショッピング行動を2001年9月実施の同様の調査結果と比較することで、2年半の間の変化を捉えることを試みた。さらに、調査データの分析から、今後のネットショッピング市場の成長を展望するとともに、ネットショップ運営者にとっての運営のヒントを導き出すことを心がけた。
図1.1.1 調査概要
調査方法
電子メールを使ったマーケティング・サービス「iMiネット」を利用。約50万人のiMiネット・メンバーに募集をかけ、応募者のなかから選んだ回答者に電子メールで告知し、Webサイトでアンケートを実施、1,123件の回答を得た。
調査の流れ
調査期間:2004年2月19日(木曜日)~2月24日(火曜日)
調査対象:10~69歳のパソコンによるインターネット利用者
調査形態:電子メールでの告知によるWebアンケート
サンプル数:1,400件発信 有効回答1,123件(有効回答率80.2%)
調査の前提
(1)アクセス経路について パソコンからのインターネット利用によって行われるショッピングを想定し、調査を実施した。
(2)ネットショッピングの範囲について 経済産業省などの市場規模調査では、消費者向け電子商取引市場に、ネット上での決済を伴わない自動車、不動産、金融、各種サービスを含めているが、このレポートでは、主にネット上で決済が行われる物販をネットショッピングと定義した。
(3)調査結果に関するおことわり この調査の回答者は、電子メールを使ったマーケティング・サービス「iMiネット」に参加するメンバーであり、調査結果の数値は、必ずしも日本のパソコンによるインターネット利用者の傾向を統計的に正確に反映したものではないことをあらかじめおことわりいたします。この調査は、統計的に意味のある数値を提供することではなく、調査結果数値から導き出される分析により、ネットショッピング市場の現状とネットショッピング利用者の傾向を捉えることを目的として実施しております。
1. | 調査概要 | 5 | |
1.1. | 調査の目的 | 5 | |
1.2. | 調査方法 | 6 | |
2. | ネットショッピング市場の概観 | 7 | |
2.1. | ネットショッピングの市場規模 | 7 | |
2.2. | 市場背景:インターネット人口とブロードバンド加入数 | 8 | |
3. | 結果要旨 | 9 | |
3.1. | 結果要旨 | 9 | |
4. | 調査結果 | 14 | |
4.1. | 回答者の属性とインターネット環境 | 14 | |
4.2. | ブロードバンドによるインターネット利用スタイルの変化 | 18 | |
4.3. | ネットショッピングをする人、しない人 | 26 | |
4.4. | この1年間のネットショッピング | 31 | |
4.5. | ネットショップ選びのメカニズム | 40 | |
4.6. | 気に入っているネットショップ | 52 | |
TOPICS1:パソコン・インターネット利用者の携帯ショッピング | 55 | ||
TOPICS2:ネットオークションの利用状況 | 57 | ||
4.7. | ブロードバンドとネットショッピング | 59 | |
4.8. | チャネルとしてのインターネットの優位性 | 62 | |
4.9. | ネット歴・ネットリテラシーとネットショッピングの関係 | 67 | |
TOPICS3:インターネットでの商品情報収集 | 72 | ||
5. | 調査のまとめ | 76 | |
5.1. | 予想:ネットショッピング市場の追い風はしばらく続く | 76 | |
5.2. | 利用者動向から見たネットショッピング市場:顧客の固定化と競争激化が同時に進む | 77 | |
6. | 添付データ集 | 79 | |
6.1. | 設問一覧 | 79 | |
6.2. | 質問文と単純集計 | 81 | |
6.3. | 自由記述 | 121 | |
6.4. | クロス集計 | 170 | |
性別×年代別 | 171 | ||
職業別 | 209 | ||
インターネット開始時期(Q1)別 | 249 | ||
自宅のネット接続回線種類(Q4)別 | 275 | ||
ネットショッピング年間利用回数別 | 329 | ||
6.5. | 調査票 | 369 |
ブロードバンドによるインターネット利用スタイルの変化
ここ数年の一般家庭へのブロードバンド回線の普及は、インターネットの利用スタイルに大きな変化をもたらした。ブロードバンド化は、ネットショッピングにもさまざまな影響を及ぼしていると推測されるが、その影響の本質とは、どのようなところにあるのだろうか。ネットショッピングへのブロードバンド化の影響を検証する前に、ブロードバンドによって、具体的にインターネット利用スタイルの何が変わったのかを見ておくことにする。
ブロードバンドによる変化:利用時間と頻度が増加ブロードバンド利用者に、常時接続の回線に変更した前と後での1週間の利用時間と利用頻度の変化をたずねると、どちらについてもほぼ4人に3人が「以前よりかなり増えた」と回答し、「多少増えた」と合わせると、9割強が利用時間と頻度の増加を感じていた。インターネット利用スタイルの変化はまず、利用機会の増大というかたちで現れている。
図4.1.7 ブロードバンドによる利用時間と利用頻度の変化
週10時間以上利用が6割越える具体的には、インターネットを1週間に10時間以上利用している人は、ブロードバンド利用者で6割を越えており(62.7%)、「30時間以上」も16.8%いた。これに対しダイヤルアップ利用者は10時間未満が72.6%を占める。
ブロードバンドで調べもの、一般情報収集、ショッピングが増えるブロードバンドで増えたインターネットの時間を、利用者はどのように過ごしているのだろうか。高速回線ならではの利便性や楽しみが味わえる「ソフトウェアのダウンロード」、有料・無料の「動画コンテンツ」、「オンラインゲーム」、「音楽プロモーションビデオ」、「音楽ダウンロード」に注目してみたが、「ソフトウェアのダウンロード」以外はいずれも「以前より増えた」より「もとからあまり利用しない」と回答する率が高くなった。ブロードバンドに変えたからといって、全員がその環境を生かしたコンテンツやサービスを一斉に利用しはじめるわけではないようだ。一方、半数以上の人が「以前より増えた」と回答したのは、「キーワード検索」や「Yahoo!等のポータル」、「ニュース」、「メールマガジン」のような、ブロードバンド以前と変わらない"調べもの"と、一般的な情報収集のためのコンテンツやサービスだった。「ネットショッピング」に関しても、「以前より増えた」という人が約6割(61.2%)と多かった。
この1年間のネットショッピング
この1年のネットショッピング:平均8.8回、95,606円ブロードバンド利用者に、常時接続の回線に変更した前と後での1週間の利用時間と利用頻度の変化をたずねると、どちらについてもほぼ4人に3人が「以前よりかなり増えた」と回答し、「多少増えた」と合わせると、9割強が利用時間と頻度の増加を感じていた。インターネット利用スタイルの変化はまず、利用機会の増大というかたちで現れている。
男女に関わらず購入される書籍、音楽CD・ビデオ、旅行購入した商品カテゴリーを男女別に見たところ、ほとんどの商品は男女の差が大きかったが、「音楽CD・ビデオ・DVD」、「ホテル・航空券・旅行」、「ホビー・趣味用品」、「文具・事務用品」は比較的男女の差がなく購入されていた。
図4.4.11 男女別:この1年間のネットショッピングで買ったもの(複数選択)
ネットショップ選びのメカニズム
ネットショッピング利用者は、どんな観点で購入するネットショップを選んでいるのだろうか。直近1回のネットショッピングの状況に特定した質問をすることで、ネットショップ選びの観点や傾向を探った。
利用したネットショップのタイプ:モール、ポータル出店ショップが多い回答者が直近1回のネットショッピングで利用したネットショップのタイプを選んでもらったところ、楽天とYahoo!に出店するショップが31.5%で最も多い結果となった。「楽天、Yahoo!以外に出店」は3.9%と少なく、ネットショップが集積するモールやポータルのなかでは、楽天とYahoo!が他を大きく引き離した2大勢力といえそうだ。モールやポータル以外では、アマゾンのような「ネット単独店」がやや多く、それ以外の3タイプはそれぞれ同じくらいの比率をシェアしている。
利用したネットショップのタイプを2年半前の調査と比較すると、楽天、Yahoo!とそれ以外を合わせた「モール、ポータル出店」の比率が倍近くに増加する一方で、「店舗系」、「ネット単独店」、「メーカー直販」が減少していた。タイプ別のネットショップ数の変化をカウントした統計は存在しないが、楽天とYahoo!に出店するショップが増えていることは、両社の公開データから捉えられる。とくに、Yahoo!の出店ショップ数は3年で10倍以上に増えており、「モール、ポータル出店」ショップの利用者増加にある程度の影響を及ぼしたと推測される。
はじめてのショップの見つけ方は「サーチエンジン」直近1回のネットショッピングで利用したショップが、そのときはじめての利用だった回答者に限定して、どのようにショップを見つけたかを質問した。数ある選択肢のなかで最も多かった方法は「サーチエンジンで検索(37.0%)」で、次に多い「モールで探した(11.7%)」以降にかなりの差を付けた。ちなみに、281件の回答中、「モール、ポータル出店ショップ」で購入した人は117人いたが、その人たち全員が最初からモールで探したわけではない。「モールで探した」人はさすがに25.6%と多いが、それを越える29.9%は「サーチエンジンで検索」している。モールやポータルへの出店は集客に有効だが、並行してサーチエンジンの検索に引っかかるようにしておくことも重要だ。最近、サーチエンジンでよく見かけるキーワード広告を利用するのも一つの手だろう。
気に入っているネットショップ
気に入っているネットショップ。アマゾンが大差で堂々第1位気に入って何度も繰り返し利用するショップが「ある」という566人に、「一番気に入っているショップ」の名前一つを挙げてもらったところ、実に91人が「アマゾン・ドットコム(日本、米国その他を含む)」と回答し、2位以降に大差をつけた。気に入っている理由としては、品揃えの良さ、1500円以上購入で送料無料、音楽CDや洋書の価格の安さ、配送・対応の早さのいずれかを挙げる人がほとんどだ。また、検索の使いやすさ、注文手続きの簡単さも評価されている。どれもネットショップもしくは小売業として基本的な要素であり、当たり前のサービスを確実に提供することの重要性に改めて気付かされる。部分的に同じようなサービスを導入しているショップはいくつもあるが、それだけでは「気に入っているショップ」と名指しされるには十分ではないのだろう。
上位14社のなかには、カタログ販売をベースとする「通販系」のショップが8社入っているのが目を引く。また、書籍を販売するショップがアマゾンを含めて4社あり、いずれも「ネット単独店」であった。
予想:ネットショッピング市場の追い風はしばらく続く
ネットショッピング市場の最大の成長要因であった新規利用者の流入(PCインターネット人口の拡大)は、2001年あたりを境に鈍化の一途をたどっている。それでもネットショッピングの市場成長率はさほどの衰えを見せずに依然として伸び続けている。その理由を探すことを目的としたこの調査では、事前の仮説どおり「ブロードバンドの普及」と「他のチャネルと比べたインターネットの優位性認識拡大」、「ネット歴およびネットリテラシーの蓄積」の効果がここ数年の成長要因となっていたことがおおむね確認された。これら3つの効果はまだしばらく継続すると見られ、ネットショッピング市場には今後数年間は追い風が吹くと予想される。
富士通総研 担当:田中
Tel 03-5401-8402 mail:fri-cyber@cs.jp.fujitsu.com
・電子メールマーケティング2003
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