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ネット広告の好調分野「広告型検索サービス」

富士通総研 田中秀樹

米国のネット広告市場が低迷を続ける中、「広告型検索サービス」を提供するオーバーチュア・サービシーズが例外的な急成長を遂げている。2002年1-6月の売上高は前年同期比2.6倍の2億9534万ドルとなり、純利益は4677万ドルに達した。同社は日本法人を設立し、ライコス・ジャパンやNTT-Xのgooなどを通じて日本でも来年からサービスを開始する予定だ。注目を集める「広告型検索サービス」とはどんなものなのだろうか。

米国主要ポータルサイトが導入

オーバーチュアが提供する広告型検索サービス「スポンサード・サーチ」とは、同社と提携した検索サイトでユーザーがキーワード検索をした際、検索結果の上位に広告料金を支払った企業のWebサイトへのリンクと短い広告メッセージが表示されるものだ。例えば、ユーザーが「株式」と入力して検索すると、実際のサーチエンジンの検索結果とは別に、広告主であるネット証券会社の広告リンクが検索結果として表示される。

広告リンクは特定キーワードの検索結果への表示に対して一番高い単価を支払う広告主のものから順番に表示され、ユーザーがクリックした回数に応じて料金が請求される。検索結果を表示する提携サイトには、オーバーチュアから広告料の一部が支払われる仕組みだ。

米国ではヤフー、MSN、ライコスなど多数の有名ポータルサイトが提携しており、広告主の数は6万7千社を超えている。広告型検索サービスが多くの広告主に利用される理由は、その広告効果の高さと料金体系にある。

バナー広告より高いクリック率

広告型検索サービスの広告効果の高さは、コンテキストを押さえた、テキスト形式の広告であることに由来する。コンテキストとは文脈や状況の前後関係を意味する言葉だ。検索サイトで「自動車」と入力したユーザーは、明らかに自動車の情報を探しているので、自動車メーカーのサイトにリンクする広告を表示するのは、コンテキストに適っている。これに加え、リンクと広告メッセージをテキストで表示することが、さらに効果を高めている。

コンテキストだけならば、検索サイトは以前から、広告主が特定のキーワードを指定し、そのキーワードが入力された検索結果のページにバナー広告を表示する方法を取っている。しかし、派手な画像を使ったバナー広告がユーザーに無視されがちな反面、本当の検索結果と同じコンテンツのエリア内にテキストで表示される広告リンクは、コンテンツと見分けがつかず、クリックされる率も高い。一般のバナー広告のクリック率が0.3%程度と言われるのに対し、検索キーワードにもよるが、オーバーチュアの広告クリック率は通常数%にも達するという。

コンテキストだけならば、検索サイトは以前から、広告主が特定のキーワードを指定し、そのキーワードが入力された検索結果のページにバナー広告を表示する方法を取っている。しかし、派手な画像を使ったバナー広告がユーザーに無視されがちな反面、本当の検索結果と同じコンテンツのエリア内にテキストで表示される広告リンクは、コンテンツと見分けがつかず、クリックされる率も高い。一般のバナー広告のクリック率が0.3%程度と言われるのに対し、検索キーワードにもよるが、オーバーチュアの広告クリック率は通常数%にも達するという。

このように、広告主には大人気の広告型検索サービスだが、その表示方法がユーザーに誤解を与えている、と問題点を指摘する声があがった。

米国では表示方法に対し改善要求も

昨年7月、消費者運動家のラルフ・ネーダー氏が設立したコマーシャル・アラートは米連邦取引委員会(FTC)に広告型検索サービスの調査を要請した。検索結果が広告であることを明確に示さず、コンテンツを装って消費者をだましているというのがその理由だ。

FTCは調査の結果、広告型検索サービスを提供するWebサイトに対し、検索結果が広告であるということを明示し、その仕組みを消費者に分かるように説明することなどを記載した警告書を今年6月末に送付した。これを受け、提携サイトの多くは、広告リンクを表示するスペースの上に、サーチエンジンの検索結果と区別するために「スポンサード」と明記するなど、表示方法を変更している。

実際、今春実施された米国の消費者団体コンシューマ・ユニオンの調査結果によると、広告料金に応じて検索結果の表示位置が変わることを知らないネットユーザーは60%近くもいた。

製品やサービスの情報を探しているユーザーにとって、関心事に合った内容の広告は歓迎すべきものだが、それが広告であることが明確でないと混乱を招く。誤解を与えるような広告は、長期的にはネット広告に対する不信感をユーザーに抱かせることにもなる。広告型検索サービスの日本登場にあたっては、その点に注意してほしいものである。

(注)この文章は、2002年8月6日付けの電気新聞「IT時代を読む」掲載原稿を一部加筆したものです。


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