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電子メール活用術・番外編 「購買履歴を生かした電子DMで成果をあげるbk1」

富士通総研 田中秀樹

「メールマガジンを送ると、1週間で売上が100万円以上増えることもある」。これは、株式会社ブックワン営業部の寺師かおり氏の証言だ。Webサイトで待っているだけでは売上増が期待できないネット書店では、ユーザーを積極的に呼び込むツールとして電子メールが重要な役目を負っている。日経ネットビジネス誌で連載している「電子メール活用術」の番外編として、ネット書店bk1の電子メール活用法を紹介していく。

ユーザーの目的にあわせ複数の電子メールを活用

ネット書店の利用目的は、購入したい本が決まっている目的買いと、実店舗をブラブラ見て回るように面白い本を探す場合に大きく分けられる。こうしたユーザーの目的や属性にあわせ、bk1では様々な電子メールをセールスツールとして活用している。

電子メール

まず、自分の関心分野の新刊情報だけが欲しい人には、あらかじめ欲しいジャンルを登録してもらい、リマインダー「bk1 Express」で一定期間毎に、新刊の書名や著者名などを簡潔に案内している。

これに対し、メールマガジン「週刊ビーケーワン」は、読み物として書籍関連情報が欲しい人に向けたものだ。本誌の読者ならアクセスしたことがある人も多いだろうが、bk1のWebサイトでは、書店で行われるフェアのように、テーマを決めた特集記事やコラムを掲載している。「週刊ビーケーワン」は、サイトの特集記事や書籍販売ランキングを紹介することで、Webサイトで色々な本と出会ってもらい、販売増を狙っている。また、同じ新刊の紹介でも、書籍の奥付から抜粋した情報を送る「bk1 Express」に対し、「週刊ビーケーワン」はタイトルとリード(説明文)に力をいれ、ユーザーの興味を引き付ける努力をしている。

新刊紹介コンテンツの違い

この他、積極的にセールスを行うメールもある。社内でeDMと呼ばれる、電子ダイレクトメール「ビーケーワンからのお知らせ」は、特定書籍を購入しそうな人を選んで20-30行の書籍紹介を送るものだ。この電子DMはネット書店の強みを生かしているので、特徴を詳しく説明していこう。

ターゲティングがうまいと購入率が20%以上に

ネット書店は、ユーザーが書籍を手に取って確かめられないという弱みを持つ反面、オフラインの書店ではできない顧客の属性や購買履歴を活用できるという強みがある。bk1では、この購買履歴や属性情報と電子DMを組み合わせ、効率的なマーケティングを展開している。ターゲットの絞込みが上手いと、eDMの購入率は20%を超えることもあるそうだ。

購買履歴の活用といっても、単に作家名を指定するような単純な使い方だけではない。例えば、3月に発売された「小泉八雲 秘稿画本 妖魔詩話」は、価格が5万円もする限定本なので、対象は普通の小泉八雲読者層とは異なる。そこで、高額書籍、伝奇小説、ビジュアルブックの購入者を条件として対象者を絞り込み、数十名にeDMを発信したところ、そのうち十数名からオーダーが来たそうだ。ピンポイントで送る電子DMの効率の良さを示す好例だ。

eDMの絞込み例

eDMを数万通送ってもほとんど反応が無いときもあり、対象者の絞込みは機械的に決められるものではない。対象となる書籍をどんな人が購入するかを考えて絞込みを行い、結果を元に絞込みの評価を下す。eDMの絞込みはトライ・アンド・エラーの繰り返しで、この蓄積がノウハウとなる。

コンテンツ制作でもトライ・アンド・エラーを繰り返す

bk1では、コンテンツ制作でもトライ・アンド・エラーを繰り返している。例えばeDMで、複数の書籍の販売を狙って、Webサイトの特集記事の紹介を送ったことがある。しかし、結果は期待したほどの売上につながらなかった。eDMで複数の書籍を紹介すると、ユーザーの関心がぼけてしまうと推測され、結果として、今は、1冊を力強く紹介する形に落ち着いた。さらに、「bk1のメールと、ひとめで分かるようレイアウトを統一している」と、コンテンツ制作を担当する斎藤宣彦編集長はビジュアルへの気配りを説明する。

コンテンツの制作では、セールスのために、より多くの情報を入れたい気持ちと、メールをすっきりさせるため情報を減らしたい気持ちの、せめぎあいがある。現在約160行の「週刊ビーケーワン」も、以前はメルマガ独自コラムなどが掲載され2倍の行数だった。「さすがに長すぎるとクレームがあり、半分に減らした」と斎藤編集長は、半分にした理由を説明している。このようなユーザーの声やクリック状況は、メルマガのコンテンツを企画・制作する上で重要な情報だ。
【2002年7月作成】


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