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中国におけるBPOベンダーの成功事例(3):C社(大連)

発行日 2007年12月14日

上席主任研究員 金 堅敏

 

発展の歴史

  • 2000年にC社の出資社がインドで設立したC社は、大連に出資社の日本拠点向け(漢字文化の地域であるグレーターチャイナを含む)を中心とするインハウス・バックオフィスサービス拠点を設立した。13人で始まったC社(大連)は、中国最大のBPOベンダーとして2004年末に1,400人まで発展してきた。C社(大連)の成功は、その後、大連におけるIBM、HP、デルなどのBPO拠点設置を促した。
  • 2005年に出資社は、C社の資本60%を二つの米ファンドに売却し40%のマイノリティになった。C社の性格もインハウスバックオフィス拠点から第三者への業務サービスを提供する第三者BPOベンダーとなった。資本関係の変化に伴って、C社の名前も変更され、会社のブランド戦略を進めはじめた。
  • その後、C社は、出資社グループ以外に100社以上の新顧客を開拓した。C社(大連)も出資社グループ以外に8~9社(2006年一社、その他は2007年から)の新規顧客へのサービスを始めたが、新規顧客のほとんどは日本における欧米多国籍企業である。日本企業からの受注はまだない。また、中国ローカル企業(製造業、金融機関など)からの相談もあるが、当面の間、ローカル市場展開の計画はまだない。本社サイドは、グローバル大手多国籍企業を優先的に開拓し、その評価によるブランド力の育成を優先しているようである。因みに、2007年8月に米ナスダック上場を果たしたのもブランド戦略の一環と言えよう。
  • 顧客の拡大に伴い、2007年11月現在、C社(大連)の従業員は2,500人以上となり、2008年1月には2,600人になると見込まれる。対日本業務がメーンなので、C社(大連)は100名前後の日本人を採用している。かれらはスーパーバイザーを勤めている方もいるが、ほとんどはオペレーターとして働いている。
  • 2006年には長春市にも拠点(約100名)を設置した。拠点の多様化で顧客に選択の機会を提供できる。また、2006年には上海に他社の開発スタッフ(50~60名)をスカウトしてITO拠点を設置し、SAP、Oracal関連の開発を行っている。顧客は日本以外の多国籍企業から受注している。BPOからハイエンドのITO分野への融合が図られている。
  • ITOをやりだしたのは、顧客からのニーズがあるからである。ITOベンダーへの融合を図っている。大連では、BPO市場の拡大によりこれまで技術型のITOにこだわってきたアウトソーシング大手のNeusoft(東軟)やHi-Think(華信)もBPO事業に乗り出している。ITO業務とBPO業務の相互参入が見られる。

BPO業務の内容

  • 現在、C社(大連)の業務の地域別では、90%が日本向けであり、残りは中国を含むグレーターチャイナからである。韓国向けはまだ行われていない。企業別では、業務の65%前後はGEグループからで35%が他の多国籍企業からである。
  • 業務部門は、1)出資社コアビジネス事業部、2)F&A(財務・会計)事業部、3)新顧客事業部、4)ITサービス事業部の4つである。部門別の業務量は、ITサービスが20%前後で残りが80%である。金融・保険、製造業、流通業関連のBPO業務を行っているが、2000年にC社(大連)の最も得意としている分野は、F&A業務である。
  • また、設立当初は、カスタマーサービスというコールセンター(製造業向け)業務展開に力を入れたが、現在は、100数十人から50~60人前後に縮小した。その理由は(1)日本国内と同じレベルのオペレーターを育成するためのコストが高すぎること、(2)IBM、HP、デルなどのベンダーを含む日本向けコールセンター業務を行う企業の急増で人材を引き止めるコストが高くなったこと、(3)新卒学生の日本語レベルが低下していること、(4)音声業務が減ってきていることなどがあげられる。また、外資によるコールセンター業務の政府の規制(外資は50%までしか出資できない)で100%外資資本のC社(大連)にとって法的リスクがあったこともコールセンター業務拡大の支障となった。ただし、外資によるコールセンターの出資規制は2007年12月1日から撤廃された(『外商投資指導目録(2007年修正版)』)。

将来展望

  • 本社のグローバル戦略によりC社(大連)は、ハイエンドBPOに特化しているので、データエントリなどのローエンドのBPOはやらない。ハイエンドへの取組みとしてはBPR(ビジネスプロセスリーエンジニアリング)チームを設置してBPRサービスに取り組んでいる。
  • また、IDCサービスについて、現在はまだ展開していないが、顧客のニーズは高まっている。特に、バックアップデータセンターのニーズがあると感じている。また、バーチャルなバックオフィス業務(Web関連)にかかわるBPOも増えてきている。これらの分野へ進出する可能性もある。