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中国の高速鉄道建設が本格始動

発行日 2007年11月30日

主席研究員 朱 炎

 

高速鉄道建設が相次いで着工

  • 中国は、第11次五カ年計画(2006~10年)期間中に京滬(北京-上海)線、京広(北京-広州)線、京哈(北京-ハルビン)線、瀋大(瀋陽-大連)線、隴海(西安-徐州)線、東南沿海(寧波-深圳)線の計6本、総延長7,000キロ、時速300キロ(一部350キロ)、旅客専用の高速鉄道を新規建設することを計画している。
  • 今年に入ってから、高速鉄道の各線が相次いで着工し、建設が本格的に展開し始まった。
  • 京広線の一部である武漢~広州区間及びその延長としての広州~深圳区間、隴海線の一部である西安~鄭州区間、京哈線と瀋大線を跨るハルピン~大連区間及びその支線としてのハルビン~大慶~チチハル区間、長春~吉林区間などがすでに着工した。また、東南沿海線の一部である厦門~深圳区間の建設も、この10月に建設計画が国務院(内閣)の認可を受けた。
  • 高速鉄道の象徴である京滬線(全長1,300キロ)に関しては、この10月に国務院が建設の事業化計画を認可し、年内に着工、2010年に完成すると決定した。また、副首相を責任者とする「北京上海高速鉄道建設指導委員会」も設立された。総工事費は2,200億元であり、設立する予定の事業会社である「京滬高速鉄路有限公司」の資本金は1,100億元、残りは銀行融資と債券発行で調達する。同社の資本金には中央政府(鉄道部)が35%、沿線の地方政府が20%、国内外の金融機関・機関投資家が45%をそれぞれ出資する予定である。
  • また、京滬線の一部として、北京~天津区間がすでに着工し、オリンピックの開催に合わせて2008年7月の完成を目指す。

在来線準高速車両の技術移転と国産化

  • 建設中の高速鉄道に採用する高速車両は、外国企業からの技術導入で開発し、国産化した準高速車両をベースに開発する予定である。
  • 中国は在来線スピードアップのプロジェクトを2004年から実施し、今年4月に完成し、準高速の時速200キロ(一部250キロ)の車両を走らせる運行が始まった。
  • 準高速の車両に関しては、2004年に行われた入札には、中国企業と組んで、技術移転と国産化に協力するという条件のもとで、加、日、仏、独の企業が参加した。
  • そのうち、カナダのボンバルディアが40編成(1編成は8両で構成)、川崎重工など6社で構成する日本連合、フランスのアルストムがそれぞれ60編成を受注した。ドイツのシーメンスも入札に参加したが、価格と技術移転料が高いため落札できなかった。05年にシーメンスは価格を大幅に引き下げ、時速300キロにも対応できる車両を60編成受注した。
  • 日、仏、独企業がそれぞれ受注した60編成のうち、3編成は完成車両輸入、6編成はノックダウン車両を納品し現地で組み立て、残る51編成は中国側が技術供与を受けて製造するという条件が課されていた。
  • 2007年4月、中国の在来線スピードアップが完成し、時速200キロ(一部250キロ)の運行が始まった。この準高速に使われる車両として、「和諧号(CRH、China Railway Highspeedの略)」と命名された車両は3系列、合計52編成が運行に投入された。そのうち、カナダ系のCRH1は10編成、日本系のCRH2は37編成、フランス系のCRH5は5編成をそれぞれ占めた。一方、ドイツ系のCRH3は現地生産が遅れて、今年末にオフライン、来年運行開始をとなる。

高速車両の国産化とビジネスチャンス

  • 時速300~350キロ車両は、国内開発という国産化の方針で調達するが、実際は、外国企業が提供した在来線準高速(時速200キロ)車両技術をベースに開発する。
  • 上記の現地生産する車両の中、時速300キロに対応できるドイツ系の車両はそのまま高速鉄道に使用できるが、日本とフランスの2系列は、いずれも時速300~350キロにスピードアップし、さらに開発する必要がある。
  • 準高速車両の国産化において、日本企業による新幹線技術の移転と技術指導により、CRH2の国産化が最も成功しているといえる。これは、東北新幹線の「はやて」E2-1000型をベースに、中国の事情を考慮して設計を変更し、時速200キロで走行するが、300キロにも対応できる。
  • 高速鉄道の車両の国産化において、日本の新幹線技術が応用されたCRH2は、早期に成功し、大量に納入されるなど、ドイツ系とフランス系との競争で優位に立つと見られる。CRH2の国産化を担当する青島四方機車車輌は、日本企業連合の協力のもとで、高速鉄道車両の核心技術を把握し、現地で開発する16両編成の高速車両は早ければ年内にもオフラインできると発表した。
  • 高速車両は国産化としても、日本企業は引き続き技術指導、素材と部品提供など、開発に参加し、量産段階にも大きなビジネスチャンスを獲得できる。実際、一部の日本企業は部品と関連設備の現地生産のため、生産工場の設立にすでに着手した。準高速車両の技術提携で成功した日本企業は、高速車両の国産化にも大きなビジネスチャンスを活かすことができるであろう。