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日本で初開催の世界華商大会とその影響

発行日 2007年10月12日

主席研究員 朱 炎

 

日本で初めての華商大会開催

  • 第9回世界華商大会は、2007年9月15日から17日まで、神戸・大阪で開催された。
  • 世界華商大会は、世界中の華商(中国系財界人、企業経営者)の集まりであり、シンガポールのリー・クァンユー前首相の提唱により、1991年に創設され、2年ごとに開催され、今回は9回目である。世界華商大会は、世界各地で活躍する華商が一堂に会して、グローバルな経済ネットワークの樹立と華人経済の活性化を目指し、華人間の交流とビジネス上の相互協力を促進し、開催国の財界、国民との交流に寄与することを目的とする会議である。日本での開催は今回初めてである。
  • 15日に開催された開幕式には、合計3,600人が参加し、世界33カ国からの華人財界人2,000人のほか、日本の政界、財界、学界の有力者、日本在住の華人華僑(一般的に華人は海外に居住する中国人の総称、華僑は中国籍を保有する人たちを指す)も多数参加した。日本訪問中の中国政治協商会議の賈慶林主席(上院議長に相当、共産党内の序列はナンバー4)は代表団を率いて大会に参加し、演説を行った。もともと挨拶する予定の安倍首相は突然の辞任表明で参加できなくなったが、日本政府の代表として、冬柴国土交通大臣が挨拶した。また、「有力な首相候補」と紹介される福田康夫氏は録画を通じて祝辞を述べた。
  • 16日に行った分科会に、11のテーマが取り上げられ、さまざまな分野の専門家、企業経営者が講師として講演し、ディスカッションに参加した。そのなか、「華商経済圏と日本経済」、「ニュービジネスリーダーとの対話」、「アジアの都市開発とライフスタイル」、「産官学協同によるイノベーション」など、経済、産業問題を取り上げるセッションがあるが、「近代アジアと華僑」、「日中メディア対話」、「華人の世界と日本」など、華人・アジア・中国と日本の関係を検討するテーマもある。また、「自然災害と企業活動」、「アジアと日本の医療交流」、「エコイノベーション」など、日本の優位性や日本の経験をアピールするテーマもある。こうした多岐にわたるテーマ、多彩な内容や、初めての華人ノーベル賞受賞者、中国を代表するグローバル企業であるレノボグループの会長、世界的な大手銀行である香港上海銀行の会長などを含む豪華な講師陣に引かれて、延べ2,000人が分科会に参加した。
  • 同時に、世界の華人に日本をアピールするため、日本政府が主催し、華人企業の対日投資を呼び掛け、華人の日本への観光を促進する「『美しく、活力ある日本』インベストジャパン/ビジットジャパン共同シンポジウム」や、華人と日本の投資家の交流を図る「投資・金融フォーラム」も華商大会にあわせて開催した。
  • 17日に大阪で開催された閉幕式は、華人間の交流と意見交換、華人と日本の相互理解など、今回の大会の成果を総括し、次回の第10回大会をフィリピン・マニラで開催すると決定した。

華商大会の成果と影響

  • 今回の華商大会は大きな成果を挙げ、世界と日本に大きな影響を与えた。
  • 第一に、日本における華人社会は、世界にアピールするのみならず、日本においても存在感を示した。日本には、70万人の華人・華僑が居住し、日本社会のさまざまな分野で活躍している。大会開催地の神戸では、華人コミュニティーは140年の歴史もあり、地元密着型の経済活動を展開している。さらに、大会の主催者である日本中華総商会は、日本における華人企業経営者の団体であり、99年に設立され、200以上の会員で構成され、日本での上場企業も数社含まれている。従来日本に住む華僑の企業のほか、改革開放後中国から来日した留学生などいわゆる新華僑が創設した企業が主流である。
  • 第二に、世界中の華人に向けて、日本をアピールすることができた。2,000人以上の華人企業家は世界各国から日本を訪問し、日本の社会、文化、経済、企業への理解を深めた。とくに開催地の兵庫県と神戸市、閉幕式の開催地の大阪府と大阪市を含め、関西地域全体は華人と接するチャンスがあった。
  • 第三に、大会を通じて、華人企業間、華人企業と日本企業間の交流が深まった。全日空、松下、トヨタなど日本を代表する大手企業が大会のスポンサーを務めた。大会には、交流サロン、ビジネスマッチングフェアなど、交流の場を用意し、華人企業と日本企業の相互理解と協力を促進した。今後、投資、観光など、華人の力を借りて、日本経済の活性化も期待できる。
  • 第四に、富士通総研も今回の華商大会の開催、日本と華人の交流にかかわった。高島会長は華商大会の後援会メンバーとして、大会の開催に協力した。島田理事長は「インベストジャパン/ビジットジャパン共同シンポジウム」で基調講演を行い、パネルディスカッションの議長を務めた。経済研究所の朱主席研究員は、同大会の組織委員会の戦略委員を務め、二年間にわたって、大会の企画・運営に携わってきた。