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「Fortune Global 500」と中国企業の実態

発行日 2007年7月20日

上席主任研究員 金 堅敏

 

フォーチュン500における主要国企業のプレゼンスの変化

  • 米国『フォーチュン』誌は、毎年世界企業の売上高に基づく「Fortune Global 500」というランキングを発表しており、2006年の実績に基づく結果が公表された。
  • 図表が示すように、直近3年間でのランキングインした主要国企業数は、米国と日本では10社以上減少したが、ドイツ企業は変化がなかった。これに対して新興国の企業数は軒並み増えてきている。中でもBRICsの一角を占める中国企業は毎年4社ほど増えており、その増加数が際立っている。この傾向が続けば、5年後「Fortune Global 500」にランクインする中国企業数は、50社前後で米国に次ぐ規模となる。つまり、現在第2位に位置している日本企業数は中国企業に追い越されることになる。

図表 直近3年間 Fortune Global 500における主要国企業数の変化

米国日本ドイツ中国インドロシアブラジル韓国
2006年16267372464514
2005年17070352065412
2004年17681371653311
  • 新興国企業は、ランキングインする企業数が増えているだけでなく、トップ企業のプレゼンスも急速に高まってきている。直近3年間で米国企業では、ウォールマートかエクソンモービルかがNo.1をキープし、トヨタは7位から6位に一つ順位を上げたのに対して、ドイツのトップ企業(ダイムラクライスラー)は6位から8位に順位が後退した。これに対してBRICsのトップ企業では、ブラジルのPetrobrasが125位から65位、ロシアのGazpromが139位から52位、インドのIndian oilが170から135位、中国のSinopecが31位から17位へ上昇した。
  • アジアパシフィック地域で見ると、トップ50社のうち、日本が31社、中国が8社、韓国が6社、マレーシア、インド、台湾、オーストラリア、タイが各1社ずつであった。ただし、トップのトヨタ以下の2位~4位は中国企業が占めた。

国有企業が支配する中国企業

  • 「Fortune Global 500」にランクインする中国企業(香港企業2社を除く)は、すべて国有企業であった。分野別では、資源・エネルギー・電力関連が8社、銀行・保険関連が5社、エンジニアリング・海運関連が4社、製造業が3社、通信サービスが2社である。
  • マクロ経済へのインパクトとは裏腹に原油高や資源の逼迫は中国のエネルギー・電力企業に拡大するチャンスを与えた。実際、中国のエネルギー企業Sinopec(17位)とChina National Petroleum(24位、CNPC)は、グローバル石油企業トップ10の7位と8位にランクインし、売上高或いは利益額が石油メジャーに近づいてきている。例えば、CNPCは、利益ランキングでは、世界15位のトヨタ(140.6億ドル)に近づき17位(132.7億ドル)ランクインした。因みに、日本最大の石油会社である新日本石油(石油関連19位)の利益額は6億ドルであった。
  • 銀行関連では、世界レベルとの差はまだ大きいが、中国の4大国有商業銀行である中国工商銀行(銀行関連26位)、中国銀行(31位)、中国建設銀行(34位)、中国農業銀行(39位)は、日本の三大銀行である三菱UFJ(20位)、みずほ(28位)、住友三井(29位)と同レベルまで成長してきている。利益額も55億ドル前後で同じレベルにある。
  • 通信サービス分野では、チャイナモバイル(通信関連11位)とチャイナテレコム(15位)の売上高は、第2位のNTTの半分にも達していないが、チャイナモバイルの利益額63億ドルはNTTの41億ドルを超えてグローバル通信サービスベンダーの中でも上位のレベルにある。
  • 自動車や電機メーカーが上位を占める日韓と違って、「急成長する中国(製造)企業」というイメージとは裏腹に、製造メーカーの成長は緩慢であった。今回ランクインした宝鋼集団(307位)、中国一汽(385位)、上海汽車(402位)は、外国技術の導入や外国資本との合弁生産に頼っている。利益額も6億ドル~17億ドルに留まっている。最も注目されているIT企業にもランクインした企業はまだない。

試される私営企業の実力

  • しかし、中国では規模を拡大している国有企業よりも私営企業が活発になっている。これら私営企業は20数年の歴史しか経ていないが、レノボ、華為科技などの「Fortune Global 500」候補まで成長してきている。例えば、2007年に華為科技の売上高は34%伸び150億ドルが見込まれ、2006年の「Fortune Global 500」ボトルラインを超える。今後、激しい競争環境の中で勝ち抜いてきた華為科技のような私営企業の台頭が注目されよう。