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加速する中国通信サービス企業の国際化戦略

発行日 2007年6月15日

上席主任研究員 金 堅敏

 

巨大化する中国の通信企業と「走出去」(国際化)戦略

  • 中国の通信市場の高成長が続いている。2007年4月末現在、固定電話の加入者数は37,199万人に達し、加入者数の増加は100万人/月に低下してきているが、移動電話の加入者数は48,743万人に達しており、毎月の加入者も650万人以上の勢いを保っている。
  • 国内市場拡大を背景に、中国の通信サービス企業も拡大している。例えば、チャイナモバイル(中国移動)は3億人以上の加入者を抱える世界最大の移動通信サービスベンダーになっている。巨大化した中国の通信企業は、国内市場での発展に満足せず海外市場への進出を図っている。
  • 実際、2004年末に中国情報産業部と商務部は合同で中国通信企業(通信サービス企業と通信機器メーカーを含む)の国際化を促す政策を制定した。国際ビジネス展開に必要な貸付、輸出保険、国際決済などの面で優遇政策を打ち出した。
  • 移動通信では、東南アジア、中近東、ラテンアメリカ、アフリカ、中央アジアなどの途上地域が重点進出地域とされるが、データ通信サービスでは先進国も優先地域となれる。

中国通信サービス企業の国際化の現状

  • 中国で活動している六つの通信サービスベンダーの中で主に固定電話を主要業務とする中国電信、中国網通、および移動通信を主要業務とする中国移動、中国聯通に国際化の動きが加速されている。海外進出の状況は図表が示しているとおりである。 以下、代表的な中国電信と中国移動の二社の国際化の事例を見る。

中国電信

  • 中国電信は、「顧客延伸、業務延伸、ネットワーク延伸」の基本戦略に基づいて国際展開を積極的に推進している。中国電信の海外進出の目的は、中国企業の海外進出と中国市場へ進出する外資系企業に通信サービスを提供することにある。これまで、中国電信(香港)、中国電信(米国)、中国電信(欧州)、中国電信中国アジア代表部、中国電信(米国)トロント支社の六ヵ所に支社或いは事務所を設立した。
  • 中国電信の海外戦略は、海外通信サービスベンダーへの買収戦略は取らず、ネットワークを整備しながら海外拠点の新設さらに拡大・格上げの戦略を取っている。また、上海には「グローバルカスタマーサービスセンター」を設立して多国籍企業に「Focusone」(ワンストップサービス)を提供している。

中国通信サービス企業の国際化状況

通信企業進出時期進出地域:( )内進出内容
中国電信2002.11中国電信(米国)国際電話、データ通信業務ワシントン事務所から子会社へ
2004.02中国電信(香港)インターネット・データ通信サービス事務所から子会社へ
2005.02中国電信(トロント)国際電話、データ通信中国電信(米国)の出張所
2006.06中国電信(アルマティ)データ通信など中国電信中央アジア事務所
2006.09中国電信(欧州)データ通信、ネットワークサービス中国電信の欧州子会社
2007.01中国電信(シンガポール)データ通信、ネットワークサービス中国電信東南アジア子会社
中国移動2004.10香港香港華潤万衆100%買収買収額4.38億ドル
2007.02
2007.04
パキスタンPaktelLimited88.86%買収
残り11.14%買収合意
当国第5位の移動通信キャリア、買収額2.84億ドル
中国網通2002.01中国網通(米国)国際通話、データ通信などロサンゼルス
2007.03中国網通(欧州)国際電話、データ通信などロンドン
2007.03中国網通(日本)国際電話、データ通信など東京
中国聯通2004.09中国聯通(マカオ)CDMA1X網の運営事務所からキャリアへ

出所:報道などによりFRIまとめ。

中国移動

  • 2004年下期に中国移動は「海外投資戦略室」を設置し、投資対象案件に対して技術の可能性、経済の合理性調査などを行っている。中国移動の海外進出の地域戦略は、香港・マカオを中心に、東南アジア、南米へ、そして欧米市場への進出を図ることになる。
  • 中国電信の国際化手法と違って、海外の既存サービスベンダーに対する買収で行う。潤沢なキャッシューフローがその買収戦略を裏つけている。これまで、「香港華潤」を4.38億ドル、パキスタンの「Paktel Limited」の88.86%株式を2.84億ドルで買収した。4月には残りの11.14%への買収も成功した。
  • しかし、2005年6月にパキスタンテレコンの26%株式への買収、2006年7月に53億ドルにのぼるルクセンブルクの「Millicom International」への買収は成功しなかった。また、中国移動は否定しているが、2005年8月にはイエメンモバイル、同年8月にはウズベキスタンテレコムへの買収攻勢も実らなかったと報道されている。
  • ナイジェリアへの進出も聞かれるように、途上国の新興通信市場への進出が加速される。